2011 Fiscal Year Annual Research Report
初期エンドソームのダイナミクスとシグナル伝達制御
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113721
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田邊 賢司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80423341)
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Keywords | 細胞内膜輸送 / エンドソーム / シグナル伝達 / 細胞骨格 / リン脂質 |
Research Abstract |
初期エンドソームからの選別輸送は様々なシグナル伝達の調節を行っていると考えられるが、その分子メカニズムは多くの謎が残っている。なかでも輸送の最終段階である膜の変形、切断については関与する分子も含めてほとんどわかっていない。本研究は初期エンドソームからの選別輸送に着目し、その分子メカニズム解明を通して細胞レベルでのシグナル伝達機構の調節機構に迫ろうとするものである。 我々は、細胞内輸送に必須のタンパク質として知られているダイナミンについて、新たな役割を発見・報告したが(Ishida et al., Cell Struct. Funct. 2011, Henmi et al., PLoS ONE 2011, Takei and Tanabe Peripheral Neuropathy 2012)、その一方でダイナミンが初期エンドソームからの輸送にも必須であることを見出した(Mesaki et al., PLoS ONE 2011)。本報告では、選別輸送の完了がエンドソームの移動能や酸性化のトリガーになっていることを見出し、そのカスケード機構を提唱した。 さらに、細胞骨格アクチンとその制御因子であるコルタクチンも初期エンドソームで働いていることを見出し(Ohashi et al., PLoS ONE 2011, Tanabe et al., Commun. Integr. Biol. 2011)、長い間謎に包まれていた選別輸送機構のメカニズムが明らかになってきた。 以上の報告では膜変形に関わるダイナミンや切断の張力となるアクチン・コルタクチンを同定し、報告してきた。我々は更なる阻害剤スクリーニングによって、脂質リン酸化酵素の同定を行い、初期エンドソームに特異的に局在するリン脂質を世界で初めて見出した。更に、そのリン脂質に結合し、細胞内輸送に必須と考えられるタンパク質も同定し、その制御メカニズム解明が進んでいる(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度に計画していた輸送関連タンパク質の同定/解析や複合体形成の解析はほぼ順調に進んでおり、変異体作成についても現在まで200種類以上のライブラリーを作成済みである。一方、電子顕微鏡を用いた微細構造の解析については未だ問題が残されており、実験系が完全に確立したとは言えない。業績面・材料の面からは予定以上に進展しているが、一部の実験系が確立できていないことから(2)の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに同定したタンパク質の活性調節機構の解析および膜形態形成の解析を中心に進める。実験系はほぼ順調に確立できているが、唯一、電子顕微鏡を用いた細胞内の膜形態形成が充分に観察できていない。本問題については細胞固定法・透過処理の検討を進めており、予備実験段階では問題なく進んでいる。処理条件等の検討が必要な可能性はあるものの、実験遂行は可能と考えられる。組み換えタンパク質も充分に発現/精製できており、問題点は少ない。 一方、細胞を用いたシグナル伝達の解析については、タンパク質のリン酸化等の解析は充分に確立/進行できているが、細胞移動については再現性に問題がある場合があるため、測定条件の再検討を行う予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] The Clathrin Assembly Protein PICALM Is Required for Erythroid Maturation and Transferrin Internalization in Mice2012
Author(s)
Mai Suzuki, Hirokazu Tanaka, Akira Tanimura, Kenji Tanabe, Natsuko Oe, Shinya Rai, Syunsuke Kon, Manabu Fukumoto, Kohji Takei, Takaya Abe, Itaru Matsumura, Yuzuru Kanakura, Toshio Watanabe
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 7
Pages: e31854
DOI
Peer Reviewed
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