2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトパピローマウイルス感染による炎症・がん化の動物モデルとがん化の阻止
Publicly Offered Research
Project Area | Conversion of tumor-regulation vector to intercept oncogenic spiral accelerated by infection and inflammation |
Project/Area Number |
23114510
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
清野 透 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (10186356)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 子宮頸がん / E6 / E7 / MYC / RAS / 動物モデル |
Research Abstract |
ヒト正常角化細胞を用いたin vitro多段階発がんモデルの解析を先行した。E6,E7,c-MYC,活性型RASの4因子をヒト正常子宮頸部角化細胞(HCK)に導入すると高率にiCSCが出現しがん原性を獲得することを観察していた。この時、MYC導入の有無により足場非依存性増殖や造腫瘍性が著しく更新することからMYCががん幹細胞性の誘導と維持に重要であると考えた。しかし、E6,E7,活性型RASの3因子の導入によって得られた細胞も200個移植すると腫瘍を形成した。この際、活性型RASの導入によりMYCのリン酸化と安定化がもたらされていることが確認された。そこで、この細胞にMYCのドミナントネガティブ体として働くOmoMYCをテトラサイクリン誘導系にて発現誘導すると、造腫瘍性が著しく低下することが確認された。また、MYCに対するsiRNAテトラサイクリン誘導系にて発現誘導した時も同様に造腫瘍性低下が観察された。次いでE6,E7,活性型RASの3因子の導入によって得られた細胞にテトラサイクリン誘導系にてMYCを発現誘導する細胞を樹立した。MYCの発現誘導により造腫瘍性の増加を期待したが、結果はどちらも腫瘍を形成し有意差は得られなかった。MYCの高発現はiCSCの形成、維持に重要であるが、一定レベルの閾値を超えれば十分である可能性が示唆された。OmoMYCまたはsiRNAによってMYCの活性をその閾値以下にすることによってがん幹細胞性を失わせることができることが示唆される。また、同様の実験を舌角化細胞を用いても確認することができた。一方、de novo子宮頸がん発がんモデルの作出の計画は遅れているが、安全なウイルスベクターの調製に成功したため2年次に重点的に実験を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つの主要テーマの内、in vitro多段階発がんモデルは順調に進展しているものの、新規の取り組みであるde novo発がん動物モデルの作出は、トランスジェニックマウスモデルで定評のあるK14プロモータによる発現を試みたが、レンチウイルスベクターに導入した場合には、その特異性が予想外に低く、角化細胞での発現は低く逆に線維芽細胞でも発現することが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro多段階発がんモデルは順調に進展しているので、iCSCを標的とするMYC以外の分子標的の同定を進める。de novo発がん動物モデルの作出はにおいては、上皮特異的なプロモータの選択も進めるが、並行してCMVプロモータやテトラサイクリン誘導系プロモータで実験を先行させることにした。
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Research Products
(7 results)