2011 Fiscal Year Annual Research Report
非コードRNAに制御されるヘテロクロマチン形成場の解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
23114701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 洋太 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20260622)
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Keywords | ヘテロクロマチン / 転写 / 非コードRNA / RNAポリメラーゼII / 分裂酵母 |
Research Abstract |
分裂酵母のRNAi依存性ヘテロクロマチンはヘテロクロマチン領域内で転写されるnon-coding RNA (ncRNA)が引き金となるRNAi機構によって形成される。このRNAi依存的ヘテロクロマチン機構においてはncRNAが転写ごクロマチン上に残ることが予想されているが、その証明はなくメカニズムもさだかでない。このncRNAのクロマチン局在をヒストンを標的にしたRNA免疫沈降法により解析したことろ、たしかにncRNAがクロマチンに結合していることが明らかとなった。さらに、ncRNAは鋳型DNAとDNA-RNAハイブリッドを形成することによりクロマチンに結合し、RNAi因子の足場となることを示した。これは今まで予想されていない新規のメカニズムである。一方、分裂酵母のヘテロクロマチン変異株のスクリーニングをおこない、そのうちのひとつが新規のヘテロクロマチン因子をコードすることを見いだしDsh1と名付けた。Dsh1はncRNAからsiRNAを合成する際、反応の増幅因子として働くRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)とそれにより合成された二本鎖RNAからsiRNAを合成するDicerと相互作用し双方の反応を共役させていることがあきらかとなった。またDsh1はヘテロクロマチンに結合することから、RNAi因子によるsiRNA合成反応をクロマチン上で効率良くおこなわせる、ある種のオーガナイザーとして機能するものと考えられる。このような因子の存在は今までになく、今後のヘテロクロマチン形成の全体像を理解する上で新たな視点をあたえる物である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNA-RNAハイブリッド形成の重要性をあきらかにでき、論文として発表することができた。またDsh1についてはRNAi反応系のどの段階で機能するかを明確に示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
DNA-RNAハイブリッドの形成機構の詳細を明らかにする。またDsh1にかんしては膜貫通ドメイン様の構造をもち核膜内側に局在することから核膜近傍でsiRNA合成場を形成する因子ではないかと考えている。この仮説の検証をおこなう。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Heterochromatin protein 1 homologue Swi6 acts in concert with Ersl to regulate RNAi-directed heterochromatin assembly2012
Author(s)
Hayashi, A., Ishida, M., Kawaguchi, R., Urano, T., Murakami, Y., Nakayama, J-I.
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Journal Title
Proc.Natl.Acad.Sci.USA
Volume: (印刷中)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] yeast2011
Author(s)
村上洋太
Organizer
第63回日本細胞生物学会大会シンポジウム
Place of Presentation
北海道大学(札幌市)
Year and Date
2011-06-27