2012 Fiscal Year Annual Research Report
非コードRNAに制御されるヘテロクロマチン形成場の解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
23114701
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 洋太 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20260622)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ヘテロクロマチン / RNA干渉 / siRNA / 核膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
分裂酵母のRNAi依存性ヘテロクロマチンはヘテロクロマチン領域内で転写されるnon-coding RNA (ncRNA)が引き金となるRNAi機構によって形成される。このRNAi依存的ヘテロクロマチン機構においてはncRNAが転写ごクロマチン上に残ることが予想されているが、その証明はなくメカニズムもさだかでなかった。ヒストンを標的にしたRNA免疫沈降法によりクロマチン結合性のRNAの解析をおこない、ヘテロクロマチンたncRNAがクロマチンに結合していることを見いだした。さらに、ncRNAは鋳型DNAとDNA-RNAハイブリッドを形成することによりクロマチンに結合し、RNAi因子の足場となることを示した(Nakama et al. 2011)。これは今まで予想されていない新規のメカニズムであり、最近次々と明らかになりつつあるクロマチン制御に関わるncRNAの機能を考える上でも重要な知見である。 一方、分裂酵母のヘテロクロマチン変異株のスクリーニングをおこない、そのうちのひとつが新規のヘテロクロマチン因子をコードすることを見いだしDsh1と名付けた。詳細な解析の結果Dsh1はncRNAからsiRNAを合成する際、反応の増幅因子として働くRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)とそれにより合成された二本鎖RNAからsiRNAを合成するDicer(Dcr1)と相互作用し双方の反応をヘテロクロマチン上で共役させていることを示した。さらに、Dsh1は核膜内側に局在し、そこに他の因子・核酸を集積し機能することを明らかにした。以上をまとめると下図のようにDNA-RNA hybrid形成とDsh1がともに機能することで、“siRNA合成場”ともいうべき「場」を核膜内側に形成する事になる。これは真核生物でヘテロクロマチンが核膜内側に位置する生理的意義の一端を明らかにしたものといえよう。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|