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2011 Fiscal Year Annual Research Report

発生をすすめる転写制御因子複合体の核内ダイナミクス

Publicly Offered Research

Project AreaThe physicochemical field for genetic activities
Project/Area Number 23114709
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

近藤 寿人  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70127083)

Keywords発現制御 / 遺伝子 / ゲノム / 細胞分化 / 転写因子
Research Abstract

発生をすすめる転写制御因子は、各分化段階に固有の遺伝子セットの制御領域に結合して、それらの遺伝子を活性化あるいは抑制する。それらの転写制御因子の多くは、他の転写制御因子との複合体をつくって作用している。SOX2-OCT3複合体やSOX2-PAX6/2複合体が代表例である。
本研究では、着床後の胚発生過程に中心的な役割を果たす転写制御因子について、各々の核内ダイナミクスを系統的に研究する。FRAPなどの光刺激の方法を用いて、転写制御因子の可動性(mobility)の時定数を測定し、その時定数の違いをもとに分子過程を解析する。(1)細胞の分化状態に依存した、転写制御因子複合体の核内でのmobilityの変化の解析;(2)転写制御因子複合体の核内ダイナミクスと転写制御機能の関連の解析;(3)転写制御因子の核内相互作用の、核内の因子量への依存性の分析などを行う。
平成23年度の研究によって、次のことが明らかになった。これまで転写制御因子の核内のmobilityの標準の時定数は数10秒と報告されて来たが、その値は過剰発現の状態での時定数であり、転写制御に直接関わっている転写制御因子のmobilityを示す時定数は数秒以内である(mobilityが高い)。このことを、核内の特定の転写因子の量を操作した上で、FRAPの時定数の違いとして確認した。
この高いmobilityを示す分子種の時定数が細胞タイプに依存しており、このことは転写制御因子複合体の種類によってmobilityが変化することを示唆しているたとえばSOX2の低発現レベルでのmobilityは、エピブラスト幹細胞では繊維芽細胞内におけるよりも、約2倍速い。
今後、これらのmobilityの相違を、他の転写因子との相互作用、クロマチン構造との相互作用などの要素に分解して解析してゆく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

野生型の転写因子を用いた実験研究では、概ね、研究開始時点で提案していたモデルを強く支持する結果が得られた。それは同時に、これまでの通説を塗り替える新しい転写因子の核内ダイナミクスを提示するものである。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度の研究成果を踏まえて、FRAPでmobilityを計測する転写因子に、他の転写因子との相互作用ができない変異や、DNA結合を喪失させる変異を導入して、転写因子の核内ダイナミクスのモデルをより具体的なものにしてゆく。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks]

    • URL

      http://www.genofield.osaka-u.ac.jp/pfga_member_kouboH23.html

URL: 

Published: 2013-06-26  

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