2011 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析を用いた染色体間ドメイン構築ネットワークの解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
23114719
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 典子 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (40398235)
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Keywords | 細胞核内構造体 / RanBP2 / エピジェネティクス / 核スペックル / 選択的スプライシング / 組織幹細胞 / 核-細胞質間輸送 / SRタンパク質 |
Research Abstract |
細胞核内は高度に組織化され、染色体間領域に様々な巨大超分子複合体が形成されている。これらは核内構造体とよばれ、ゲノムDNAの機能発現を制御している。本研究課題では、核内構造体形成の機序を解明し、個体や組織形成などの高次生命現象における意義を理解することを目的とした。具体的内容は次のとおりである。 1.核内構造形成ネットワーク機構の解明:部分的siRNAライブラリーを用いて、RNAスプライシング因子を多く含む核内構造体である核スペックルの形成に必要な因子を検索・解析した。核スペックルは、細胞周期G1期に"段階的アセンブリー"により形成され、それは核-細胞質間輸送システム(Ran-RanBP2)によって制御されていることを見出した。また、このメカニズムは選択的RNAスプライシングの制御に特異的に機能していることを見出した。本研究内容を論文報告した(Saitoh N et al MoBC 2012)。 2.核構造形態変化の定量・計測およびイメージインフォーマティクスの確立:細胞イメージのハイコンテント解析装置(Olympus,CELAVIEW)を用いて、細胞核内構造体および染色体の画像を自動取得、自動認識後、定量化解析する手法を確立、発展させた(特願2011-091405、Hirosue et al in press)。 3.生体組織、発生、分化過程における核内構造体制御の解析:マウスの各種組織を用いて、核スペックル及び核小体の構築様式を調べ、組織に固有な核構造、あるいは組織の形成過程で制御されている核内構造体を見出し、培養細胞株では得られない知見を取得した。成果の一部を論文で発表した(Saitoh N et al MoBC 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は研究代表者の以前の研究成果に基づいており、計画の段階から内容を大幅に変更することなく良好にすすんでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた研究成果、知見、技術をもとにさらに発展させる。対象とする核内構造体を核小体、カハールボディー、PMLボディなどにひろげるとともに、マウス個体を用いて高次生命現象に核内構造体形成がどのような意味を持つか、といった高次レベルな研究におしすすめる。研究計画の大幅な変更は予定していない。
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Research Products
(12 results)