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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ヒストン脱メチル化酵素KDM2Aによるヌクレオソーム構造調節機構の解析

Publicly Offered Research

Project AreaThe physicochemical field for genetic activities
Project/Area Number 23114721
Research InstitutionTakasaki University of Health and Welfare

Principal Investigator

常岡 誠  高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (50197745)

KeywordsリボソームRNA遺伝子 / ヒストン / ヘテロクロマチン / KDM2A / DNAメチル化 / ユビキチン / F-box
Research Abstract

I,MCF7細胞でのrDNAプロモターのメチル化をバイサルファイト法により測定した。その結果、よく報告されているようなすべてがメチル化しているrDNAプロモターはほとんど存在していなかったが、メチル化の程度が多い遺伝子と少ない遺伝子の2つのクラスに分けることができた。次にKDM2AのKDによりrDNA転写量を減少させた所、メチル化量はほとんど増加せず、どちらかというとメチル化されていなクラスのrDNA数が増える傾向が観察された。またKDM2AのKDによりrDNA上のヒストン量が増加するが、その増加はメチル化したクラスのrDNAに多く観察された。以上から、1)KDM2AはrDNAメチル化の抑制をしていない、2)KDM2AのKDによるrDNA上でのヒストンの上昇が単純にrDNA転写抑制の原因となっているとはいえないことが分かった。以上はここで観察されたヒストン量の調節がrDNA転写に関係ないか、あるいはメチル化程度が多いrDNAが実は転写されている可能性が考えられる。
II,KDM2Aによるヌクレオソーム量調節への関与が疑われたSNF2hとHP1-BP74について特異的なsiRNAにより転写抑制をおこなった。その結果十分な発現抑制を行うことが出来、rDNA転写はやや抑制される傾向が観察されたが、ヌクレオソーム量への影響は観察されなかった。
III,KDM2Aに結合する新しい蛋白質を本研究班の小布施教授の協力を得て質量分析により同定した。その結果、Skp1がKDM2Aと結合する蛋白質として得られた。KDM2AはF-boxを持っているが、KDM2AのF-boxに変異をもつ蛋白質を用いSkp1がKDM2AのF-boxを介してKDM2Aと結合することが確認された。Skp1はF-box蛋白質とCul1と複合体を形成し、ユビキチン化のE3として作用すると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

KDM2AのKDはrDNA上のヒストン量を増加する。本年度の研究結果から、メチル化の多いクラスからrDNA転写が起こっておりKDM2AはそのrDNA上で転写を調節するか、あるいはメチル化が多いrDNAへのヒストンの集積が非メチルのrDNAでの転写を調節していることが示唆された。また、当初ヒストン量調節への関連が予想された蛋白質については関与は観察されなかったが、質量分析により新たなKDM2A結合蛋白質を同定することが出来た。

Strategy for Future Research Activity

本研究を進める過程で、rDNAのクロマチン構造に関して根源的な疑問が生じた。次年度は2つのポイントを明らかにする必要がある。第1は転写されるrDNAリピートはどのような性質を持っているのか、別に言うとrDNA上でヘテロクロマチンはどのように定義づけることが出来るか、という点である。第2に転写するrDNAリピートは転写されないrDNAリピートから独立して転写制御を受けているのかという点も確認しなければならない。次年度はまずこの2点について研究をすすめる。本年度の研究で新たなKDM2A結合蛋白質としてSkp1を同定することができた。このことからKDM2AがSCF複合体を形成し、蛋白質のユビキチン化に関係している可能性が考えられる。そこで、次年度はKDM2Aが本当にrDNAクロマチン上でユビキチン化に関与するのか、もしそうならばその基質は何かを探索することを優先課題として研究を進める。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 Other

All Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Histone demethylase KDM2A reduces rRNA transcription in response to starvation2011

    • Author(s)
      常岡誠
    • Organizer
      第32回分子生物学学会ワークショップ
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011-12-16
  • [Presentation] ヒストン脱メチル化酵素KDM2Aによるクロマチン構造調節とリボソームRNA転写2011

    • Author(s)
      常岡誠
    • Organizer
      遺伝研研究会
    • Place of Presentation
      三島
    • Year and Date
      2011-10-20
  • [Presentation] ヒストン脱メチル化酵素によるリボソームRNA転写制御2011

    • Author(s)
      常岡誠
    • Organizer
      日本生化学会関東支部会例会
    • Place of Presentation
      東京新宿
    • Year and Date
      2011-06-25
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.takasaki-u.ac.jp/yaku2/idenshikinouseigyo/toppage.htm

URL: 

Published: 2013-06-26  

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