2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオソーム構造の自由エネルギープロファイル解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
23114723
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河野 秀俊 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40291918)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヌクレオソーム / 分子動力学計算 / 自由エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヌクレオソームを構成するヒストンには、多くのバリアントが見つかってきた。しかし、それらのX線結晶構造などの静的な構造はおおよそ同じであり、その働きの違いが何から生じているかを調べることは難しい。本研究では、2種類のヌクレオソーム、CENP-Aを含むヌクレオソームとカノニカルH3を含むヌクレオソームのダイナミクスや安定性の違いを調べるために、H3を含むヌクレオソーム、CENP-Aを含むヌクレオソーム、両者のDNAを交換したヌクレオソームの合計4つの系に対して、50nsから100nsの分子動力学シミュレーションを行った。結果、すべてのヌクレオソームについて、両端20から30塩基対のDNAがヒストンから離れたり巻きついたりする様子が見られた。これらの大きな揺らぎは、他のタンパク質が裸のDNAと十分に相互作用できる可能性が高いこと、同時にヒストンタンパク質が他の分子に対して直接相互作用できるような状況が作られることを示す。特に、その様子はCENP-Aを含むヌクレオソームで顕著であり、CENP-Aの結晶構造解析で、両端のそれぞれ約20塩基対の構造が決まらなかったこととも整合する。また、DNAを交換した系でも、CENP-Aを含む ヌクレオソームのみのDNAが大きな揺らぎを持つことが観察されたことから、揺らぎの大きさの程度はDNA配列に依存するのではなく、CENP-AとH3の違いによると考えられる。詳細な解析により、揺らぎの変化はN末付近のH3のふたつのArgがCENP-AではともにLysに変わっていること、つまり、この2つのアミノ酸残基の水素結合能の差が大きな要因であると推定された。これらの結果は、アミノ酸置換実験により検証され、計算結果は実験的にも裏付けされた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)