2012 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起における情報処理ダイナミクスの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
23115501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八尾 寛 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (00144353)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経科学 / 海馬 / シナプス / てんかん / トランスジェニックラット / ゼブラフィッシュ / DMD |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかんモデル動物では、海馬歯状回顆粒細胞が内分子層に異所性の投射をすることにより、異常な反回性回路を形成することが報告されている。しかし、これらの先行研究の多くは、Timm染色法などの亜鉛染色法によるものであり、苔状線維終末選択的に高濃度の亜鉛が分布していることを前提としている。そこで、歯状回顆粒細胞選択的にシナプトフルオリンを発現するトランスジェニックマウス(TV-42, Araki et al., 2005)を用いて、ピロカルピンてんかんモデル動物を作製した。シナプトフルオリンは、シナプス小胞v-SNAREタンパク質の一つsynaptobrevin/VAMP-2とpH感受性GFPの融合タンパク質なので、亜鉛の分布を前提としないシナプス前終末の分布を検証することができる。その結果、Timm染色法と同等ないしより高い感度で内分子層への投射が認められた。また、これらの終末にシナプス小胞が集積し、シナプス前終末として機能していることが示唆された。さらに、CA3領域においても、放線層などにおいて、シナプトフルオリン陽性のシナプス前終末を多数認めた。したがって、これらの領域においても、新しいシナプスが形成され、情報の流れが変化していることが示唆される(Ito et al., 2012)。てんかんモデル動物において歯状回顆粒細胞の反回的投射が異所的に形成されることについては、Timm染色法などの亜鉛染色法を用いた多くの先行研究があるが、シナプス小胞マーカーを用いた研究は、本研究が世界に先駆けている。これにより、機能的なシナプスが形成されていることが初めて証明された。本研究においては、また、オプトジェネティクス研究に最適化された動物モデルと光学系を開発した(Ji et al., 2012; Umeda et al., 2013; Sakai et al., 2013)。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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