2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質聴覚野機能単位のメゾ回路基盤に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
23115516
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宋 文杰 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 聴覚野 / 視床皮質投射 / 並列回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、大脳皮質一次聴覚野機能単位の回路基盤を調べる研究を遂行中、マウス聴覚皮質に新規の領野IAFを同定した。IAF野は低周波数の音に広領域で応答し、その潜時は一次聴覚野よりも短い特徴を持っている。従来、視床からの感覚入力は一次感覚野に最初に入ると考えられているため、IAF野の短潜時は意外な発見である。短潜時の理由として、IAF野が大細胞を有する内側膝状体内側核(MGm)から入力を受けるためと考えられていたが、十分に検討されていない。そこで、光イメージングにより同定したIAF野に逆行性蛍光標識トレーサーを注入し、IAF野に投射する視床ニューロンの分布を調べた。その結果、内側膝状体の内側部に限局した領域に逆行性ラベルされたニューロンが見られた。これらのニューロンは内側膝状体のどの亜核に属するかを調べるために、Parvalbuminとcalbindinに対する免疫染色を行った。その結果、IAF野より逆行性標識されたニューロンはMGmでなく、一次聴覚野(AI)や聴覚前野(AAF)に投射する内側膝状体腹側核(MGv)に属することが示唆された。これを更に検討するために、IAF、AI、とAAFをイメージングで同定した後に、3色の逆行性蛍光色素を用いて、同時ラベルを行った。その結果、視床において、AAFより逆行性標識されたニューロンはIAFより標識されたニューロンの背側に隣接した部位に見られたため、IAFはMGvより入力を受けるとの結論が支持された。更に、面白い知見として、3色標識実験では、視床において、ダブルラベルされたニューロンは認められなかった。 以上のことより、マウスのIAF、AIおよびAAFは、視床MGvの異なるニューロン群から互いに独立な入力を受けることが示唆され、聴覚視床から聴覚皮質の異なる領野へ独立した聴覚情報が並列に送られている可能性が示された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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