2011 Fiscal Year Annual Research Report
二次嗅覚メゾ回路の抽出
Publicly Offered Research
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
23115517
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 准教授 (80260587)
|
Keywords | 嗅覚系 / 軸索投射 / 神経回路 / マウス |
Research Abstract |
一次嗅覚神経回路は匂い情報を空間的に選別して、嗅球に「匂い地図」を作り上げるが、その地図がその後どのように処理されているかは全くの謎である。本研究では、この二次嗅覚神経回路を、嗅球投射神経細胞の誕生日依存的な軸索ガイド制御の違いに着目して、メゾ回路に分解する。誕生日依存的な神経軸索投射パターンを調べるためには、誕生日の異なる細胞をマークして、その軸索末端まで可視化する技術が必要である。本研究では、神経細胞が分化直後に一過的にneurogenin2を発現する事を利用して、誕生日依存的にCre/loxP組み替えを誘導する。具体的には、neurogenin2プロモーターの制御下でタモキシフェンにより活性誘導可能なCreER recombinaseを発現するマウス(neurogenin2-creER)を用いて、このマウスにタモキシフェンを投与する事で、ちょうどその瞬間にCreERを発現している神経分化に入ったばかりの神経細胞のみで、Cre/loxP組み替えを誘導する。平成23年度は、Cre/loxP組換えがおきると、嗅球神経でのみGFPの発現を誘導できる、嗅球特異的なGFPレポーターマウスを数系統樹立した。そして、このマウスと先述のneurogenin2-creERマウスを交配して、タモキシフェンを投与し、実際に誕生日依存的に嗅球投射神経細胞を標識できる事を確認した。今後は、タモキシフェン注入時期を変えながら、軸索投射領域を詳細にマップする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、嗅球特異的GFPレポーターマウス系統を数種類樹立でき、研究目的に使える事が確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
嗅球投射神経細胞の誕生日依存的な除去を行うために、嗅球特異的なジフテリア毒素レポーターマウス系統の作製も試みている。レポーター遺伝子の性質のためか、これまでのところ1系統しか得られていない。この系統が研究目的に使用できるかどうかを早急に検討し、無理な場合にはレポーター遺伝子の改変を試み、良いレポーターマウス系統の作出をめざす。
|
Research Products
(7 results)