2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動評価のための顕微鏡オートフォーカスと蛍光画像解析
Publicly Offered Research
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
23115703
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80228410)
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Keywords | オートフォーカス / ビジュアルサーボ / 蛍光画像処理 / 線虫 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
本研究の目的は、生物が持つ「神経系の活動状態」とそのアウトプットとしての「行動」を高い時間・空間分解能で計測する装置を開発することである。 生物の行動を理解するためには、それを作り出している神経系の複雑な情報処理過程を解明することが必要不可欠である。しかし、近年の行動遺伝学の進展にもかかわらず多段階の情報処理過程はいまだにほとんど明らかにされていない。そのもっとも大きな原因は、観察倍率と視野サイズがトレードオフの関係にあり、運動する生物を高い空間分解能で長時間観察することができないことにある。そこで本研究では、顕微鏡画像のフィードバックにより顕微鏡ステージを制御して生物の運動を追跡するという本質的な解決策により、高い空間分解能を保ったまま神経活動を長時間記録・解析可能なシステムを開発する。とくに、モデル生物として盛んに研究されている線虫(C.elegans)やゼブラフィッシュ(Danio rerio)の神経部位を明視野像と蛍光像を用いてリアルタイム追跡し、同時に神経細胞の蛍光像を記録できる顕微鏡の実現を目指す。 本年度は、線虫の変形やZ軸方向のずれにロバストな画像処理アルゴリズムおよびその高速化手法、神経細胞の蛍光像をフィードバックしたオートフォーカス手法、高精度な三次元追跡が可能なビジュアルサーボステージを開発した。実際、埼玉大学中井教授、大阪大学木村准教授、名古屋大学森教授、東京大学飯野教授などの研究室にXYZステージを導入し、フィードバック制御アルゴリズムを提供した。これらの共同研究の成果は学会発表の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線虫のトラッキングはロバストに実現できている。オートフォーカスは明視野カメラで評価する範囲では高い精度で実現できている。次のステップとしては蛍光画像での評価が必要である。さらに、蛍光カメラのフィードバックを実現し、ロバスト性を高めたい。ゼブラフィッシュのトラッキングは着手したばかり。
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Strategy for Future Research Activity |
変形やZ軸方向の位置ずれにロバストな画像処理アルゴリズムを開発し、神経細胞の蛍光像を利用したオートフォーカスを実現する。線虫の体のくねりや光軸方向の位置ずれが生じた際にも対象神経細胞を追跡することのできる画像処理アルゴリズムを開発する。画像取得、画像処理、ステージ移動コマンド出力が制御ループとなり全体の処理速度を決定するので、高速化のために並列画像処理手法を開発する。カルシウムイメージングの技術を向上させ、カルシウム濃度の定量化を実現し、行動との関連を解析する。
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Research Products
(4 results)