2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜電位の時空間制御と同時計測
Publicly Offered Research
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
23115712
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30392038)
|
Keywords | 膜電位 / 蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
神経回路網を行き交う電気信号を可視化する事は、その動作原理の理解に必須であると考える。これまで、たとえば、ホヤゲノム由来の電位センサー蛋白質や、独自に開発したFRETレポーターを巧みに組み合わせ、従来にない優れた性能を持つ膜電位プローブを開発し、培養哺乳類神経細胞における単一発火、無麻酔非拘束ゼブラフィッシュの心臓膜電位のイメージングなどに成功してきた。一方、回路の動力学を追う有効な方法の一つに、与えられた摂動に対する応答を見ることがある。近年、所謂optogeneticsの発展に伴い、電極刺激や領域破壊などに比べ、格段に細胞特異性・時空間分解能等に優れた摂動を、光を介して与えることが可能になってきた。しかしながら、従来の膜電位時空間計測技術では、必ずしもこのoptogeneticsを同時に適用出来る物ではなかった。本研究では、新しいプローブデザインを通じて併用を可能にし、in vivo神経回路に対し、光によるread & write、即ち計測と刺激を自在に行うための基礎技術の確立に取り組んでいる。本年度は、蛍光蛋白質の光安定性の向上を目的に、directed mutagenesisの実験系を構築した。これを用い、オレンジ色の蛍光蛋白質の光安定性を、3倍以上に向上させることに成功した。今後、不可逆的退色の少なく、尚且つ、channelrhodopsin2との干渉がない、膜電位プローブの開発に取り組む。また、高速、高感度の膜電位プローブを作成し、マウス大脳皮質の活動をtranscranialイメージングにとり計測する事に成功した。時間分割法を用いれば、光刺激との同時適用が可能になる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光蛋白質の光安定性の向上を目的に、directed mutagenesisの実験系を新たに構築し、オレンジ色蛍光蛋白質の光安定性を、3倍以上に向上させることができた。今後、不可逆的退色の少ない、尚且つ、channelrhodopsin2との干渉がない、膜電位プローブにつながる可能性がある。また、従来のものより、高速、高感度の膜電位プローブを開発し、マウス大脳皮質の活動をtranscranialイメージングにより計測する事に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
短期的には、今年度に開発した蛍光蛋白質等を用い、制御と計測を可能にするプローブ群を開発する。また、引き続き、電位センサードメインを用いた膜電位プローブの性能向上に努めるとともに、長期的には、新たな計測原理の模索を行う。
|
Research Products
(3 results)