2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ嗅覚行動を司る神経回路メカニズムの分子遺伝学的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
23115723
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉原 良浩 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, シニア・チームリーダー (20220717)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 嗅覚 / 神経回路 / ゼブラフィッシュ / 性行動 / フェロモン / プロスタグランジン / 嗅覚受容体 / 匂い地図 |
Outline of Annual Research Achievements |
嗅覚系は物体から発せられる匂い分子を受容し、その情報を鼻から脳へと伝え、匂いのイメージを脳内に表現・創造・記憶あるいは快・不快の感情を誘起して、様々な行動を発現する神経システムである。私たちは多様な実験手法を統合的に利用可能なモデル脊椎動物としてのゼブラフィッシュの利点を最大限に活かし、好きな匂いへの誘引・嫌いな匂いからの逃避・フェロモンを介した性行動など嗅覚行動の基礎となる神経回路メカニズム解明へ向けて、様々な視点からの解析を行っている。 平成24年度は特に、性フェロモンによって誘起される性行動の神経回路メカニズムの解析を行った。排卵時の雌魚から分泌されるプロスタグランジンF2a(PGF2a)は雄魚を誘引する性フェロモンとして知られている。まず、PGF2aで刺激した魚の嗅上皮切片において140種類の嗅覚受容体遺伝子プローブと神経活動のマーカーである最初期遺伝子c-Fosプローブによる二重蛍光in situハイブリダイゼーションを行い、PGF2aで活性化された嗅細胞に発現する1種類の嗅覚受容体OR#1-1を同定した。このOR#1-1受容体をCOS7細胞に強制発現させて、各種フェロモン及び匂い分子投与によるcAMP産生を解析したところ、PGF2a投与によってのみcAMPの上昇が観察された。以上の結果からOR#1-1はPGF2aに対して特異的なフェロモン受容体であることが明らかとなった。次に性フェロモンPGF2aが駆動させるフェロモン神経回路を解析するために、GCaMP発現トランスジェニックゼブラフィッシュの脳における神経活動イメージング及びリン酸化Erkを神経活動のマーカーとした免疫組織化学解析を行った。その結果、嗅上皮へのPGF2a刺激によって、嗅球の腹内側部の特定の糸球体vmG、終脳の2つの神経核、さらには視床下部の1つの神経核が活性化されることを見出した。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|