2012 Fiscal Year Annual Research Report
レム睡眠における大脳賦活化の意義とメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
23115724
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 悠 独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (40525812)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちの脳は睡眠中に、夢という独特な意識状態を創り出すことができる。夢は主にレム(急速眼球運動)睡眠という睡眠段階で生じる。これは、レム睡眠中に大脳が感覚入力に非依存的に活性化するためである。このような特徴的な生理状態は、哺乳類や鳥類などの一部の脊椎動物でしか見られない。したがって、何らかの高次な脳機能に関わることが期待される。しかしながら、レム睡眠の生理的意義はまだ全く分かっていない。そこで本研究では、レム睡眠固有の大脳の活動状態が生じるメカニズムと意義を、マウスを用いた遺伝学的なアプローチにより明らかにしようと試みた。 具体的には、レム睡眠の制御に関わる脳部位を探索したところ、脳幹においてレム睡眠を非常に強く抑制するニューロン群を同定することに成功した。これらのニューロンに、薬理遺伝学的に神経活動を高められる遺伝子を発現させたトランスジェニックマウスを作製したところ、レム睡眠を任意のタイミングで抑圧することが可能となった。このように、レム睡眠を遺伝学的手法を用いて自在に阻害できる動物モデルはこれまでに世界中において例がない。今後、このモデルマウスにおいて、レム睡眠をさまざまな成長段階や記憶学習の特定時期に阻害することで、レム睡眠の役割に関する手がかりが得られるものと期待される。本研究により、半世紀以上もの間大きな謎であったレム睡眠の生理的意義の一旦が初めてが明らかになるものと期待される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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