2011 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞ダイレクト質量分析法を用いた脂質メディエーター解析
Publicly Offered Research
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
23116503
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中西 広樹 秋田大学, バイオサイエンス教育・研究センター, 助教 (10466740)
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Keywords | 質量分析 / 脂質メディエーター |
Research Abstract |
本研究は、新しい切り口の脂質メディエーター解析技術として、従来不可能であった質量分析法を用いた"1細胞"単位でのリン脂質ならびに脂質メディエーターの詳細な解析が可能となる技術の確立を目指している。具体的には、マニピュレーターシステムと質量分析計を組み合わせた"単一細胞ダイレクトMS法"を確立する。そして、その分析系を用いて種々の細胞が接着または分化成熟する際に膜リン脂質の組成がどのように変化し、そこにどのような脂質メディエーターならびに脂質代謝酵素が関与するのかを明らかにする。 当初の研究計画にのっとり、実験を進め、以下の成果が上がった。 1.細胞採取のためのシステム構築: 分析系の開発に必要不可欠であるマニピュレーターシステムならびに倒立顕微鏡の付属備品を購入し、細胞採取のためのシステムを構築した。このシステムについては他のグループからの報告もあるので、論文を参考にしつつ開発を進めている。 2.質量分析装置を用いた脂質ならびに脂質メディエーター分析のための最適条件の確立: 標準化合物を用いて数十~数百ナノリットル/分という微量流速における測定パラメーターの最適化を進めた。化合物によっては低流速での感度が低いものもあり、現在、分析溶媒を含めて再検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂質ならびに脂質メディエーターは低流速で測定すると感度が向上するものと低下するものがあり、溶媒・電圧・温度等、の最適な組合せの確定に時間がかかっている。しかし、単一細胞を効率よく採取するシステムの構築については、順調に進展しており、主要リン脂質の分析については進展がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
測定対象に応じて各脂質もしくは脂質メディエーターの測定パラメーターを変えていく必要がある。オルガネラレベルでの解析を予定していたが、様々な培養単一細胞での脂質解析を検討する。
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Research Products
(9 results)