2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症に関連する脂溶性分子の有機合成による供給法の確立
Publicly Offered Research
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
23116507
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (90153650)
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Keywords | 脂肪酸代謝産物 / プロテクチンD1 / マレシン1 / ガンマ-シリルアリルアルコール / グリシドール / Stork-Wittig反応 / 12-HHT |
Research Abstract |
以下の脂肪酸代謝産物の合成法を研究した。 (1)プロテクチンD1の合成:まず,光学活性なガンマ-シリルアリルアルコールを相当するラセミ体のSharplessの不斉エポキシ化法を使って合成した。次に,シス型のγ-ブロモアリルアルコールに変換し,これにアセチレンを連結した。最後にアセチレン部位をヒドロホウ素化して,ビニルボラン中間体を調製した。一方,トランス型のガンマ-ヨウ化アリルアルコール中間体を不斉合成した。今後,両者を鈴木カップリング反応を使って連結し,脱保護,カルボン酸部位の構築を経てプロテクチンD1を合成する予定でいる。 (2)グリシドールから1-ヨウ化-1Z-アルケニル-3-アルコキシ中間体を簡便に合成する方法の開発を行った。まず,TESCl(Et3SiCl)を用いて水酸基を保護し,エポキシ環を有機金属試薬を使って開環した。生成した水酸基をTES基で保護した。続いて,Swern酸化すると1級の炭素が選択的にエポキシ基に酸化された。その後,Stork-Wittig反応を行なったところ約95%のシス選択性で目的化合物を得ることが出来た。 (2)マレシン1の合成:プロテクチンD1の合成と同様の手法に準じて,それぞれのパーツを合成した。現在,カップリング反応を検討している。 (3)12-HHTおよび類縁体の合成 上述した合成法に準じてキー中間体を不斉合成し,鈴木カップリング反応を行い,(E,E)-共役ジエンをもつ天然型12-HHTを合成した。一方,ガンマ-シアノアリルアルコールをアルデヒドに変換し,Wittig反応を行い,(E,Z)-型異性体を合成した。現在,ケトン体を合成している。 (4)五員環に2つの側鎖がシス配置で結合している植物由来の不飽和脂肪酸代謝産物の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
意識して,緻密な研究計画を立てている。実験結果に対する考察も頻繁に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,脂肪酸代謝産物を合成する。当初掲げた化合物を合成しているが,時間を見つけて,更なる研究を遂行する。さらに,予定以上の成果を出せる様にする。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] High performance affinity purification for identification of 15-deoxy-Δ^<12,14>-PGJ_2 interacting factors using magnetic nanobeads2011
Author(s)
N.Maekawa, M.Hiramoto, S.Sakamoto, M.Azuma, T.Ito, M.Ikeda, M.Naitou, H.P.Acharya, Y.Kobayashi, M.Suematsu, H.Handa, T.Imai
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Journal Title
Biomed.Chromatogr.
Volume: 25
Pages: 466-471
Peer Reviewed
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