2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウスうつ病モデルにおけるプロスタグランジンE受容体と合成酵素の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
23116512
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古屋敷 智之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20362478)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬理学 / 生化学 / 神経科学 / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレスはうつ病など精神疾患の主なリスク因子であるが、その作用機序は不明であった。研究代表者はストレス下での情動制御におけるPGE2シグナリングの役割を明らかにしてきた。近年、PG合成阻害薬であるNSAIDが抗うつ薬の治療効果を促進するとの臨床報告がなされた。 本研究では、マウスうつ病モデルである反復社会挫折ストレスでのPGE2シグナリングの役割を調べ、PGE2-EP1系を介した前頭前皮質ドパミン系の抑制が反復ストレスによる抑うつ誘導に不可欠であることを示した。さらに反復ストレスによる抑うつ誘導にはPG合成酵素であるCOX-1が不可欠であること、COX-1は脳内ではミクログリアに特異的に発現し、反復ストレスによりミクログリアの活性化が起こることを示した。この結果から、反復ストレスによる抑うつ誘導にPGE2-EP1系を介した神経ミクログリア相互作用が重要であることを示唆した(Tanaka et al. J Neurosci, 2012)。 さらに研究代表者らは、別の脂質メディエイターであるトロンボキサンA2の受容体TPの活性化がドパミン放出を亢進させることを示した。TPは線条体の血管に特異的に発現しており、TP活性化によるドパミン亢進作用には血管内皮に発現するNO合成酵素が必須であった。さらにTP活性化はドパミン受容体を介して抑制性シナプス伝達を抑制する他、生理的なドパミン依存的な報酬指向行動にTPが関与することも示した(Mitsumori et al. Eur J Neurosci, 2011)。以上の結果は、血管内皮のTP-NO系が線条体のドパミン放出を促進することを示しており、脳内の脂質メディエイターの機能的多様性を明らかにした。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Orally administered rubiscolin-6 a delta opioid peptide derived from Rubisco, stimulates food intake via leptomeningeal lipcalin-type prostaglandin D synthase in mice.2012
Author(s)
Kaneko K, Lazarus M, Miyamoto C, Oishi Y, Nagata N, Yang S, Yoshikawa M, Aritake K, Furuyashiki T, Narumiya S, Urade Y, Ohinata K
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Journal Title
Mol Nutr Food Res
Volume: 56
Pages: 1315-1323
DOI
Peer Reviewed
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