2012 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器系免疫アレルギー疾患におけるBLT2シグナルの役割
Publicly Offered Research
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
23116519
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井上 博雅 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30264039)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 脂質メディエーター / ロイコトリエンB4 / インターロイキン13 / 12HHT / BLT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロイコトリエンB4(LTB4)の低親和性LTB4受容体BLT4の生理作用は不明な点が多い。12-HHT(ヒドロキシヘプタデカエイコサテトラエン酸)がLTB4よりも低濃度で BLT2を活性化することが近年判明した。本研究では、呼吸器系の免疫・アレルギー疾患の病態形成における12HHT/BLT2シグナルの役割を包括的に検討することを目的とした。 BLT2欠損マウスを用いた解析から、12-HHT/BLT2系が抗炎症性に作用することが判明したため、そのメカニズムを検討した。 抗原感作曝露によるアレルギー性喘息モデルでは、局所の12-HHTレベルが上昇しており、BLT2欠損喘息モデルマウスの気道ではTh2(ヘルパー2型T細胞) サイトカインの一つIL-13の発現が亢進しており、他のTh2サイトカインや、Th1サイトカイン、血清のIgEレベルはコントロールマウスと差はみられなかった。IL-13の主な産生細胞を解析したところ、BLT2欠損マウスではIL-13を発現したCD4T細胞が増加していた。また、BLT2欠損はTh2細胞への分化には影響せず、CD4細胞におけるIL-13産生に影響することが判明した。また、抗原感作曝露により、エフェクターCD4T細胞上で12-HHTに反応する機能的なBLT2発現が増加することが判明した。 患者検体でのBLT2発現レベルの解析では、喘息患者由来の末梢血CD4T細胞では、健常者と比較してBLT2の発現が減少していた。 以上の結果より、12-HHT/BLT2系はCD4T細胞でIL-13発現をコントロールすることにより、免疫・アレルギー反応を負に制御し、CD4陽性T細胞におけるBLT2の発現レベルの低下が喘息の病態に関与していることが判明した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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