2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン様分子ISG15依存性タンパク質翻訳制御と自然免疫応答の関連性の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117501
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 文彦 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00507212)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ISG15 / ユビキチン / 自然免疫 / タンパク質翻訳 |
Research Abstract |
ユビキチン様分子ISG15はインターフェロンや細菌・ウイルス感染などにより急速に発現誘導され、タンパク質の翻訳後修飾に用いられるが、その生理的役割はほとんどわかっていない。本申請課題はタンパク質翻訳制御分子eIF4E2(4EHP)とPKRに焦点を絞り、ISG15修飾の生理的役割を解析することで、ISG15修飾が初期免疫応答(自然免疫)にどのように関与するのかを明らかにする。 1. ISG15修飾を受けた4EHPによる免疫システムへの影響の解析 ISG15修飾を受けた4EHPに結合する候補mRNA群を同定した。そのうちのひとつの候補遺伝子が細胞傷害やインターフェロンにより誘導されることが示唆されており、現在、解析に適した条件を設定中である。また、市販抗体の質が良くないので作製を試みている。 2. PKRのISG15修飾がもたらす生理的役割の解明 昨年度までにPKRが生理的刺激によりISG15修飾を受けることを明らかにした。またISG15修飾を受けたPKRはウイルス由来の二本鎖RNA非存在下においても活性化を受け、標的分子であるeIF2alphaのリン酸化を引き起こすことを示した。eIF2alphaのリン酸化はキャップ依存的なタンパク質翻訳を抑制するので、それを確認するためにキャップ依存的・非依存的な翻訳を定量できるルシフェラーゼアッセイシステムを用いて定量した結果、ISG15修飾を受けたPKRはキャップ依存的なタンパク質翻訳を選択的に抑制していることを明らかにした。本年度は投稿後に受けたいくつかの質問(内在性のISG15修飾、定量的PCRによる再評価、PKRの活性化状態の確認など)に答える解析を加えJBC誌に掲載された。これらの結果は今まで知られていなかったPKRの新規活性化メカニズムを提唱するもので、ウイルス感染以外にもPKRの活性化機構があることを示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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