2012 Fiscal Year Annual Research Report
DJ-1の酸化修飾によるシグナル変動とパーキンソン病、細胞癌化
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117502
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有賀 早苗 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90184283)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / 脳神経疾患 / シグナル伝達 / ストレス / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫細胞から作成したDJ-1欠損培養細胞、およびDJ-1ノックアウマウスを使って、酸化ストレスに依存したDJ-1のシグナル伝達経路について解析した。p53は、アポトーシスや老化の誘導、酸化ストレスに応じたミトコンドリア維持に関わる機能を有するが、DJ-1と直接結合することでToporsを介したSUMO化によるp53活性化は抑制された。DJ-1はp53のDNA結合部位に結合したが、その結合親和性はDJ-1のC106酸化度に依存しており、還元型および過剰酸化型では結合せず、標的遺伝子であるDUSP1遺伝子の転写を酸化ストレス依存的に調節した。DJ-1のC106S変異体は転写調節活性を示さず、またDJ-1ノックダウン細胞でもDUSP1発現抑制は見られなくなり、DUSP1によるErkリン酸化が抑制された。DJ-1はp53によるp21プロモーターからの転写活性化も抑制したが、面白いことにp53側あるいは認識DNA配列側に変異があるなどしてp53/DNA間の結合性が弱い場合にのみDJ-1は介入・阻害し、増殖させた。これらの結果から、DJ-1は酸化ストレスに対し、初期応答として自身のシステイン残基SH基の段階的酸化によりROSを吸収し、同時に最も酸化されやすいC106の酸化度に応じてp53などのパートナータンパク質との結合親和性を変化させ、様々な経路を通じた細胞応答を誘導して細胞を保護して増殖へと向かわせるが、強烈あるいは継続的ストレス条件化では過剰酸化型となって協働機能を失い、損傷細胞をアポトーシスにより除去することを選択させることが示唆された。すなわち、DJ-1は酸化ストレスに対する危機管理センサーまたはソーターとして、細胞に増殖・アポトーシスいずれかの方向性を示す働きがあることが強く示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)