Publicly Offered Research
真核細胞は、鉄不足、低酸素によるストレスを受けたとき、タンパク質合成が低下することが知られている。本研究では、この現象に関与する翻訳開始因子キナーゼHRIを対象として、新規の鉄・酸素センサータンパク質OGFOD1による活性調節機構の分子機構について、HRIの翻訳後修飾(プロリン水酸化)に焦点を当て、分子・細胞レベルでの解析を行う。1)ヒトOGFOD1遺伝子を取得し、発現ベクターに組込み、組換えOGFOD1を大腸菌内で発現した。組換えOGFOD1をアフィニティ・イオン交換・ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。全長型OGFOD1の収量は培地1L当り0.7mgと低かった。そこで、核移行配列を含むN末端部分28残基を短縮したOGFOD1を作成したところ、収量は5倍に上がった。短縮型のOGFOD1標品を用いて、結晶構造解析に向けたスクリーニングを行った。2)高純度に精製したタンパク質を用いてHRIの結晶化スクリーニングを行ったところ、ヒット条件が得られた。回折データを収集したものの、低分解能のため構造解析は難しく、分解能向上のため結晶化条件の最適化を行っている。最後に、HRIの自己リン酸化部位の同定とその役割について(Igarashi et al.(2011) FEBS J. 278, 918)、HRIとHsp90との相互作用について(Mukai et al.(2011) Protein Pept. Lett. 18, 1251)、それぞれ論文発表を行った。
3: Progress in research has been slightly delayed.
研究機関の異動に伴って、研究環境が大きく変わった。震災・原発事故からの復旧作業によって、設備備品の移設がスムースに進まなかった。組換えタンパク質の発現に時間がかかった。
全長型OGFOD1タンパク質の取得は困難なため、短縮型OGFOD1を用いた、結晶化、酵素活性測定、翻訳後修飾の解析を行う予定である。
All 2012 2011 Other
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (2 results) Book (2 results) Remarks (1 results)
J.Inorg.Biochem.
Volume: 108 Pages: 1251-1257
10.1016/j.jinorgbio.2011.09.019
Volume: 109C Pages: 1251-1257
10.1016/j.jinorgbio.2012.01.001
J.Biol.Inorg.Chem.
Volume: 16 Pages: 599-609
10.1007/s00775-011-0761-3
FEBS J.
Volume: 278 Pages: 918-928
10.1111/j.1742-4658.2011.08007.x
Protein Pept.Lett.
Volume: 18 Pages: 1251-1257
J.Biol.Chem.
Volume: 286 Pages: 35522-35534
10.1074/jbc.M111.274811
http://www.fmu.ac.jp/kenkyu/Profiles/45/0004441/profile.html