2012 Fiscal Year Annual Research Report
IGF-1シグナリングによる筋原線維形成の制御とその破綻による筋疾患
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117506
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30194038)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / IGF-1シグナリング / 筋原線維 / アクチン / N-WASP / サルコメア蛋白質 / 筋疾患 / 心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋においては,nebulinの代わりに存在するnebulette (Nebt) のSH3ドメインにN-WASPのPro-rich領域が結合して,N-WASPはZ帯に局在化した.しかしこの局在化は恒常的にみられ,IGF-1シグナリングによって制御されていなかった.Nebt-N-WASP複合体によりアクチン重合核が形成され,アクチン線維形成が促進された.またアクチン重合活性をもつLmod2の局在は,IGF-1刺激によりZ帯付近から1 μmのアクチン線維の先端付近に移行した.Lmod2はIGF-1-PI3K-Aktシグナリングにより阻害されるGSK-3で強くリン酸化された.GSK-3でリン酸化されたLmod2はユビキチン化されて分解されたり,機能が阻害されると考えられる.これらの結果から,Nebtに沿って伸長した長さ0.15 μmのアクチン線維の先端にLmod2が結合し,IGF-1シグナリングによりアクチン線維をさらに0.85 μm伸長させて,その結果,1 μmのアクチン線維が形成されると考えられる.マウスに大動脈縮窄術 (TAC) を施し,病理的な肥大を引き起こした心臓では,線維化がみられ,圧・容積比で示される心機能が低下した.しかしIGF-1を作用させると,生理的な心筋細胞の肥大がもたらされ,線維化が抑制され,心機能が回復した.一方,N-WASP阻害剤を作用させると,心筋細胞の肥大が抑制され,線維化が促進され,心機能が顕著に低下した.これらの結果から,IGF-1シグナリングにより活性化されたN-WASPを介するアクチン線維形成が,心筋細胞の肥大と心機能に働いていると考えられる.さらに,骨格筋と心筋におけるN-WASPを介したアクチン線維形成の破綻が,筋疾患や心筋症につながることを実証するために,組織特異的なN-WASP cKOマウスを作製中である.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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