2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症シグナルによるErbBチロシンキナーゼのSer/Thrリン酸化とがん悪性化
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117516
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
櫻井 宏明 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (00345571)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | EGFR / ErbB / TNF / がん / 炎症 / シグナル伝達 / 受容体 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性サイトカインTNFによってEGFRのThr-669とSer-1046/7のリン酸化が誘導されることを報告してきた。リン酸化は、それぞれERKおよびp38をかいしているが、EGFRのリガンドによってもERKおよびp38が活性化されるため、TNFと同様にEGFRのThr-669とSer-1046/7のリン酸化が誘導される可能性が考えられた。そこで、まずリガンド濃度を変化させ、EGFRのチロシン、セリン、スレオニン残基のリン酸化を検討した。その結果、低濃度のリガンドではEGFRのThr-669とSer-1046/7のリン酸化が強く誘導されたのに対して、チロシンの自己リン酸化はほとんど認められなかった。一方、高濃度のリガンドではチロシン自己リン酸化が強く認められたのに対して、Thr-669とSer-1046/7のリン酸化はむしろ減弱した。また、リガンドによるThr-669とSer-1046/7のリン酸化は、TNF刺激の場合と同様にERKおよびp38を介していた。したがって、EGFRによって活性化されたMAPKがフィードバック機構によりEGFRをリン酸化していると考えられた。 Ser-1046/7のリン酸化は、EGFRのエンドサイトーシスを誘導する。一方、リガンド刺激時にもエンドサイトーシスすることが報告されているが、それはチロシン自己リン酸化によるものであると考えられてきた。そこで、リガンドによるEGFRのエンドサイトーシスにSer-1046/7のリン酸化が関与している可能性を検討した結果、p38阻害剤によってリガンドによるエンドサイトーシスの一部が抑制された。 以上のように、EGFRの活性調節機構において、Thr-669とSer-1046/7のリン酸化が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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