2012 Fiscal Year Annual Research Report
αクロトーが認識する糖鎖の構造決定とシグナル様式の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117518
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
伊村 明浩 公益財団法人先端医療振興財団, 先端医療センター, 研究員 (60362513)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | クロトー / 糖鎖 / レクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
電解質の恒常性維持に深く関わっているアルファークロトー遺伝子は、糖分解酵素群遺伝子と高い構造相同性を保っている。アルファークロトータンパク質には、これまで、複数の標的分子、すなわちNaポンプと線維芽細胞増殖因子が結合する事が判っていた。しかし、なぜ複数の、しかも全く異なるファミリーの分子に結合するかは、謎であった。本研究では、アルファークロトータンパク質の糖認識能に着目し解析した結果、これまでのレクチンの分類に当てはまらない新規のファミリーに属するレクチンであることを見出した。 本研究の目的である「アルファークロトーが認識する糖鎖の構造を明らかにする」部分について、その糖鎖構造は3位が硫酸化されたグルクロン酸を含む二糖であることを明らかにすることができた。その具体的な構造は3-硫酸化グルクロン酸-アセチルガラクトサミンであり、アルファークロトーはこの二糖の3-硫酸化グルクロン酸部分に選択的に結合することを示した。 アルファークロトーが結合を示す二糖の有機合成にも成功し、この合成二糖がアルファークロトーの機能を特異的に阻害することを示した。これらの結果から、この合成二糖を含む低分子化合物は、アルファークロトーの行き過ぎた機能の亢進を原因とする疾患に対する治療薬開発のリード化合物になるものと期待される。現在、糖認識の構造学的解析のためクロトー蛋白質の結晶を作製中であり、この構造を解析する事により、どのようなアミノ酸構造がグルクロン酸を認識するのか、明らかする予定である。 以上の成果を元に、アルファークロトーと同様の構造をとり脂質の恒常性維持に関わっているベータクロトーの構造解明に、新たな研究の端緒を開くことになった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)