2012 Fiscal Year Annual Research Report
Pin1プロテオミクスを用いた疾患特異的リン酸化タンパク質の網羅的探索
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
23117526
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梁 明秀 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20363814)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 癌 / プロテオーム / Pin1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペプチジルプロリルイソメラーゼPin1はがん細胞およびがん幹細胞において高く発現しており、がん細胞およびがん幹細胞増殖シグナルを促進していることが示唆されている。本研究課題ではPin1を分子プローブとしたプロテオミクスを行うことで、上記に関わるリン酸化タンパク質およびその責任キナーゼの同定を目指した。昨年度までに我々は、Pin1がNF-kBのRelA/p65の254番目のスレオニンのリン酸化部位に結合し、NF-kBの転写活性を正または負に調節することを見いだした。我々はGSTプルダウン法および質量分析装置を用いた解析により、この領域をリン酸化するキナーゼとしてTestis-specific serine/threonine-protein kinase 2 (TSSK2)を新たに同定した。本キナーゼの発現およびRelA-Ser254のリン酸化は、術後再発や骨転移を引き起こした前立腺癌組織において顕著に増加していた。今後はキナーゼの活性化機構や発現制御を詳しく調べることで、前立腺癌の悪性化形質を促進する新たな病態関連因子を特定する。もう一つの課題として、Pin1が神経幹細胞において発現が上昇し、神経分化に重要な役割を果たすことを見出した。Pin1を強制発現したNPCはbeta3-tubulin陽性の神経細胞に選択的に分化し、GFAP陽性のグリア細胞への分化が阻害された。一方、Pin1の選択的阻害剤を投与すると、NPCの多くがグリア細胞に分化した。以上のことからPin1はNPCの分化方向を規定する因子であることが示唆された。Pin1は神経幹細胞においてbeta-cateninと結合し、wnt/beta-cateninシグナルを活性化することで神経幹細胞の分化方向を決定している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)