2012 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素シグナルによる液性免疫制御因子Bach2の活性調節機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
23117702
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 哲彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80343292)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 活性酸素シグナル / Bach2 / ヘム / B細胞 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
B細胞レセプター(BCR)からのシグナルは、分化・成熟や増殖および活性化応答を制御する。近年、活性酸素シグナルがBCRシグナル経路のセカンドメッセンジャーとして機能するという報告が相次いだ。一方、活性酸素シグナルが転写因子Bach2 の活性を制御することを私たちは明らかにしてきた。従って、BCRシグナル経路は活性酸素シグナルを利用してBach2を抑制し、B細胞から形質細胞への分化を促進する可能性がある。本研究では、Bach2がB細胞における活性酸素シグナルのセンサーであり、B細胞の活性化と分化を調節するエフェクターとして機能する可能性を検証することを目的とした。一方で、私たちは、酸化ストレスの原因のひとつと成り得るヘムでB細胞を刺激すると形質細胞への最終分化誘導できることを見いだしていた。このとき、Bach2蛋白質の分解が促進された。そして、私たちは、ヘムがBach2蛋白質に直接結合することを見いだした。Bach2蛋白質の構造予測から、ヘム結合領域が、特定の構造を採らない天然変性領域である可能性が示唆された。さらに、プロテアーゼ限定分解および、円偏光2色性スペクトル解析の結果、この領域はドメイン様だがアルファへリックスなどの特定の二次構造を採らないことを突き止めた。そして、小角散乱測定の結果、ヘムが結合すると、この領域の構造がglobularな構造へ変化することがわかった。また、ヘム刺激によりBach2依存的な転写調節が抑制から活性化へ変化することから、この構造変化に伴い、Bach2と相互作用する蛋白質の構成が変化する可能性が強く示唆された。本研究から、形質細胞分化過程で、Bach2を不活性化するメカニズムと考えられてきたヘムの結合は、Bach2タンパク質の制御を担っていることを明らかにした。さらに、活性酸素シグナルによるBach2の活性制御メカニズムの可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)