2012 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌の活性酸素生成酵素の制御因子に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
23117719
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹本 大吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30456587)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | エンドファイト / 活性酸素生成酵素 / 共生確立 / 細胞極性 |
Outline of Annual Research Achievements |
E. festucaeはイネ科牧草の細胞間隙で生育し、共生関係を確立する糸状菌エンドファイトである。これまでに、宿主植物との共生確立能を欠損する変異株を単離し、活性酸素生成酵素NoxAを欠損した変異株が感染によって宿主植物の矮化や枯死を引き起こすことを明らかとしている。本菌は、活性酸素生成酵素遺伝子を2つ(NoxA, NoxB)もち、NoxAのみが共生時の植物内菌糸の生育を制御すること、p67phox様の制御因子であるNoxRと低分子量Gタンパク質RacAが共生時のNoxAによる活性酸素生成を正に制御することを明らかにしている。またNoxRと相互作用するタンパク質としてBemAおよびCdc24を単離している。今年度は、RacAと高い相同性を示すCdc42の機能解析を行った。RacAとCdc42が結合する Nox複合体の因子を調べたところ、それぞれNoxRとBemAに特異的に結合することが示された。さらに、これら低分子量Gタンパク質の結合の特異性を決定しているアミノ酸を特定した。またracA破壊株は宿主植物で過剰に生育し、植物の矮化を引き起こすのに対し、cdc42破壊株では葉身基部において菌糸が断片化しており、葉身上部において菌糸が検出されなかった。この結果から、共生時の植物内での菌糸生育において Cdc42は促進的にRacAは抑制的に機能していることが示唆された。またracA破壊株では活性酸素生成が低下していたのに対してcdc42破壊株では増加していた。結合の特異性を決定している2つのアミノ酸を置換したNoxR結合型Cdc42をracA破壊株に導入したところ、共生確立能が回復した。これらの結果から、RacAとCdc42は、異なるNox複合体の因子と結合し、活性は活性酸素生成および宿主植物への感染において相反する機能を保持していることが示された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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