2011 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素シグナルによる概日リズム制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
23117720
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平山 順 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (90510363)
|
Keywords | 概日リズム / 活性酸素シグナル / JNKシグナル経路 / リン酸化 / 分子時計 / 時計蛋白質 |
Research Abstract |
紫外線や過度な運動等に生じる活性酸素種は、DNA、蛋白質、脂肪等との反応性が高く生体に対して毒性を有するものと考えられてきた。一方で、生体は積極的に活性酸素種を作りだし、シグナル分子として利用していることが明らかになっている。現在までに活性酸素シグナルの生理機能制御における役割やその作用機構については不明な点が多く存在する。 概日リズムは様々な生理現象の周期を外環境に適応させ維持する機構であり、この異常は発癌やメタボリック症候群、睡眠障害、躁鬱病等の多く疾患の病態に関与する。概日リズムは分子時計と呼ばれる細胞自律的なフィードバックループにより制御されているが、脊椎動物の分子時計はCLOCK,BMAL,CRY,PERの4種類の時計蛋白質により構成される転写/翻訳に依存したフィードバックループである。現在までに分子時計の周期性の維持や外環境への同調の分子メカニズムについては解明されていない点が多く存在している。 研究代表者は活性酸素種が分子時計制御においてシグナル分子として機能することを報告している。本研究は特にゼブラフィシュにおいてFlavin-containing oxidaseが光依存的に活性酸素種を産生し、概日リズムの光同調を制御していることを見出した。また、活性酸素シグナルに応答するMKK7-JNKシグナル経路が分子時計調節を担うことを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)活性酸素種を産生するFlavin-containing oxidaseを分子時計調節因子として見出したこと、(2)活性酸素に応答とするMKK7-JNKシグナル経路が分子時計制御に関与することを明らかにしたこと、の2点は活性酸素シグナルによる概日リズム制御の分子機構の解明を目指す本研究に貢献している。
|
Strategy for Future Research Activity |
MKK7-JNKシグナル経路が分子時計制御因子として機能するという知見に基づいて、特にマウス個体を用いて、MKK7-JNKシグナル経路の活性酸素シグナルによる分子時計調節における役割をさらに詳細に解析する。
|