2011 Fiscal Year Annual Research Report
挿入的クロマチン免疫沈降法を利用したB細胞分化維持機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
23118516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 敏次 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10550030)
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Keywords | iChIP / B cell / Pax5 / 転写制御 |
Research Abstract |
細胞分化における運命決定においては、近年、分化を担う転写因子のエピジェネティックな発現制御が注目されてきている。エピジェネティック制御の分子機構の解明には、当該ゲノム領域のクロマチン構造を出来るだけ保持したまま単離し、生化学的・分子生物学的解析を行うことが有効である。申請者らは、生体内でのクロマチン構造を保存したまま解析対象とするゲノム領域を単離する方法として、挿入的クロマチン免疫沈降法(insertional chromatin immunoprecipitation:iChIP)法を開発した。本研究課題では、iChIP法を利用することで、Bリンパ球分化のエピジェネティクス制御の分子機構を解析する。具体的には、Bリンパ球分化を担う主要分化制御因子であるPax5のエピジェネティックな発現制御機構の解明を目指し、iChIP法を利用することで、Pax5遺伝子プロモーター領域に存在する分子、特にDNAおよび蛋白質の網羅的同定を行う。 本年度は、ジーンターゲティング法を用いて、Pax5の転写開始点近傍にLexA結合配列を挿入した細胞株を作製する。用いる細胞株は、ニワトリのB細胞株であるDT-40を用いる。まず、Pax5遺伝子の転写開始点近傍にLexA結合配列を持つ細胞株を樹立した。また、作製した細胞株において、LexA結合配列の挿入によりPax5の発現が大きく変化しないことをRT-PCRによって確認した。次に、LexA結合配列が挿入されたDT-40細胞に、タグを付けたLexA DNA結合ドメイン(FCNLD)を恒常的に発現させた細胞株(DT-40/LexA-Pax5/FCNLD:DLPF)を樹立した。また、陰性対象として、同程度のFCNLDを発現しているがLexA結合配列を持たないDT-40細胞株(DT-40/FCNLD:DF)も樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請記載の研究計画に沿って、iChIP用の細胞株を樹立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回樹立した細胞株を用いてiChIP法を行うことで、Pax5遺伝子プロモーター領域に相互作用しているゲノム領域(エンハンサー、遺伝子座制御領域等)を同定する。また、同定したゲノム領域がどのようにPax5遺伝子発現に関与しているか解析する。
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Research Products
(3 results)