2012 Fiscal Year Annual Research Report
造血系転写因子によるマスト細胞分化決定機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
23118525
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大根田 絹子 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (50323291)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞分化 / 転写因子 / マスト細胞 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血球系転写因子によるマスト細胞の分化制御機構を解明することを目的としている。前年度は、条件付Gata1ノックアウトマウスを用いた解析により、GATA1は分化したマスト細胞の形質維持に必須ではないことを明らかにした。一方、マウス骨髄マスト細胞(BMMC)では細胞分化とともに GATA2の発現が増加することから、GATA1の機能欠失をGATA2が代償している可能性が考えられた。 今年度は、この可能性を検証するために更に解析を進めた。野生型BMMCを用いたChIP解析では、保存されたGATA配列を有するマスト細胞特異的な遺伝子のプロモーター領域に、GATA1とGATA2の両方が結合していた。また、siRNAでGATA2の発現を抑制すると、GATA2を正常に発現している細胞では見られなかった、GATA1欠失によるマスト細胞特異的な遺伝子発現の低下が観察された。さらに、GATA2のDNA結合ドメインを誘導的に欠失するマウスからBMMCを作成し、GATA2の機能欠失解析を行ったところ、BMMCは、GATA2の機能欠失によりマスト細胞のマーカーであるc-KitとFceRIaの発現を消失し、未熟な骨髄球系細胞に特徴的なGr1やMac1を発現する細胞へと系列転換した。細胞の形態も明らかに変化し、マスト細胞に特徴的な顆粒が失われていた。GATA2機能欠失BMMCでは、GATA1の発現増加はみられず、Scl、 PU.1、 Runx1などの血球系転写因子の発現も変化しなかったが、野生型BMMCには発現していないC/EBPalphaの発現が著しく増加していた。 これらの結果から、GATA2は、GATA1と協調してマスト細胞特異的な遺伝子の発現を制御するのみならず、C/EBPalphaの発現を抑制することにより他の骨髄球系細胞への分化を抑制してマスト細胞の形質を維持していると考えられた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)