2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒相でのATP加水分解反応の速度論的及び熱力学的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
23118712
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 英幸 九州工業大学, 情報工学研究院, 助教 (90253567)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ATP加水分解 / エネルギー / 熱力学 / 水和 / 有機溶媒 / 分配係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
ATP加水分解反応は,生体内で熱力学的に不利な化学反応を共役的に駆動するための発エルゴン反応である.反応物であるATPと,生成物であるADPとPiの間に水和状態の差があると予想されているが,ATP加水分解エネルギーにおける水和エネルギーの寄与は実験的に評価できていない. ATP,ADP,Piの良溶媒であるアルキルアミン/オクタノール溶媒系を用いて,これらの溶媒と水溶液間のATP,ADP,Piの分配係数を測定し,水相有機溶媒相分配のエネルギー(ギブスエネルギー変化)を求めた.これらのエネルギーと水溶液中のATP加水分解エネルギー(文献値)の差から,有機溶媒中での加水分解エネルギーを見積もった.その結果,水相有機溶媒相分配のエネルギーは有機溶媒や条件に依存して変化したが,有機溶媒中での加水分解エネルギーはほぼ一定で,水溶液中のギブスエネルギー変化の80~110%であった.次に,分配係数の温度依存性からファントホッフプロットによりエンタルピー変化を求めた.その結果,ATP,ADP,Piの水相有機溶媒相分配のエンタルピー変化の総和は,水溶液中での加水分解反応のエンタルピー変化(文献値)と同等で相殺されていた.つまり,有機溶媒中での加水分解反応のエンタルピー変化は非常に小さく,有機溶媒中での加水分解はエントロピー(自由度の増加)で駆動されていた. 有機溶媒中での加水分解を非水和状態での加水分解と仮定すれば,ATP,ADP,Piの水和は,総ギブスエネルギー変化量には見かけ上影響を与えないが,その内容(エンタルピー変化とエントロピー変化のバランス)には大きな影響があると思われる.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Identification of Compounds with Potential Antibacterial Activity against Mycobacterium through Structure-Based Drug Screening2013
Author(s)
Tomohiro Kinjo, Yuji Koseki, Maiko Kobayashi, Atsumi Yamada, Koji Morita, Kento Yamaguchi, Ryoya Tsurusawa, Gulcin Gulten, Hideyuki Komatsu, Hiroshi Sakamoto, James C Sacchettini他
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Journal Title
Journal of Chemical Information and Modeling
Volume: xxx
Pages: xxx
DOI
Peer Reviewed
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