2012 Fiscal Year Annual Research Report
コケ植物の変水性に関わる細胞構造の解析と脱水ストレス耐性因子の探索
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis of strategies for plant survival and growth in response to global environmental changes |
Project/Area Number |
23119504
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
竹澤 大輔 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20281834)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 変水性 / コケ植物 / アブシジン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命活動に必須な水の利用に関して、コケ植物は変水性(ポイキロハイドリ)により、細胞内の水蒸気圧を外界の水蒸気圧と平衡させ環境に適応している。本研究では、コケ植物の変水性を制御する因子の探索を行うとともに、脱水耐性発現に必要な細胞構造について明らかにすることを研究の目的とした。 アブシジン酸により高い脱水耐性を獲得するヒメツリガネゴケおよびゼニゴケを用い、アブシジン酸に応答できないストレス感受性株を得て、脱水耐性と細胞の微細構造との関連を解析した。様々な濃度の糖溶液や平衡塩溶液を用いた浸透圧耐性試験やプログラム可能な恒温サーキュレータを用いた凍結耐性試験により、アブシジン酸非感受性株においてストレス耐性が著しく低下していることが明らかとなった。 本年度は、ゼニゴケ無性芽の電子顕微鏡による観察により、ストレス耐性の増大に伴い、葉緑体構造が劇的に変化することが明らかとなった。これに伴い、葉緑体包膜と原形質膜との相互作用が軽減され、膜の不可逆的構造変化が回避されている可能性が示唆された。葉緑体の低温下での忌避運動がABAにより阻害されることが観察されたことからも、ABAが葉緑体と原形質膜との相互作用を阻害していることが示唆された。ABA応答が異常なASA1変異株では葉緑体の忌避運動自体が観察されなかった。 ヒメツリガネゴケでは、アブシジン酸に応答できないar7株の解析を行ない、ar7がアブシジン酸だけでなく、低温や、高浸透圧にも応答することができないことが明らかとなった。マイクロアレイ解析では、多くのストレス関連タンパク質の遺伝子発現がar7で低下していた。またar7の全ゲノム配列解析からその原因遺伝子AR7を同定した。AR7タンパク質は調節領域の1アミノ酸変異により引き起こされることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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