2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物の環境応答における細胞壁ペクチンの機能解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis of strategies for plant survival and growth in response to global environmental changes |
Project/Area Number |
23119509
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 優 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60281101)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / ストレス / 細胞壁 / 多糖類 / ペクチン / 環境応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞壁を構成する主要成分のひとつであるペクチンゲルの生理機能に関する研究を行った。 ペクチンはラムノガラクツロナンII(RG-II)領域においてホウ酸エステルで架橋される。そのRG-IIの特異的構成糖KDOの合成に必要な酵素CKS(CTP:KDOシチジリル転移酵素)について、RNAi法で発現を抑制したシロイヌナズナを作成した。RNAi株は野生型株に比べ主根伸長が著しく抑制される。その根端成長を細胞動力学的手法で解析した結果、細胞増殖速度・細胞体積増大速度の両方が低下していることが明らかとなり、植物細胞の分裂および成長におけるペクチンゲルの重要性が実証された。 ペクチンゲルの機能を進化的観点から考察するため、非維管束植物であるゼニゴケにもRG-IIが存在し何らかの機能を担っているか検討した。RG-IIの特異的構成糖であるKDOおよびアピオースの合成酵素様遺伝子について発現解析を行った結果、両遺伝子共に、急速に拡大する領域の表皮細胞層、および成長点近傍の粘液毛で強い発現が認められた。これら発現が盛んな部位はペクチン含量が高い部位と一致した。このことから、ゼニゴケにもKDO・アピオースを含むペクチン、即ちRG-II様の多糖が存在することが示唆された。粘液毛は成長点を保護する粘性多糖を分泌すると考えられており、RG-II様多糖はその粘性多糖に含まれる可能性が高い。 ペクチンを細胞外リガンドとする受容体型キナーゼWAK(細胞壁結合型キナーゼ)の機能を解明するための研究を行った。WAKは他の多くの受容体型キナーゼと同じく自己リン酸化活性を有する。そのリン酸化部位について検討した結果、キナーゼ間で高度に保存された領域である活性化ループに存在する複数のセリンまたはスレオニン残基がリン酸化を受けることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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