2011 Fiscal Year Annual Research Report
成人期のアスペルガー障害の表情模倣に関わる神経基盤の解明とその可塑性の検討
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川久保 友紀 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40396718)
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Keywords | 脳・神経 / 自閉症 / 心理社会的介入 |
Research Abstract |
<目的>本研究は、以下のことを目的として実施された。(1)知的障害の合併がなく未服薬のアスペルガー障害の成人を対象として、顔認知課題遂行中のfMRIを実施し、顔認知に関わる神経基盤を明らかにすること。(2)自己理解、対人認知、感情の自己制御を促す集団療法を週1回3ヶ月実施し、その前後でfMRIを実施し、(1)の神経基盤に変化が生じるか明らかにすること。(3)集団療法を受けないアスペルガー障害の統制群との比較を行うことにより、(2)で見られた神経基盤の変化が集団療法によるものかどうかを検証すること。 <対象者>書面にて同意を得た8名の成人ASD患者を対象に、データ収集を行なった。ASDの診断には、DSM-IVおよび自閉症診断面接改訂版(ADI-R)と自閉症診断観察スケジュール(ADOS)を用いた。知能の評価には、ウエクスラー知能検査III版を用いた。8名のうち4名の介入群患者は、心理社会的介入プログラムに参加し、残りの4名の統制群は、特定の介入プログラムは実施しなかった。 <介入前後の検査>どちらの群も3テスラMR装置(GE Signa 3T MRI)を用いてfMRI検査を2回実施した。さらに、症状を評価するために、介入前後の計2回、抑うつ症状(CES-D)、不安症状(LSASS)、生活の満足度(WHOQOL26)、ストレス対処法(CISS),自己の感情認知、他者の感情認知(こころの理論課題)、全般的生活機能評価(GAF)を定量的に評価した。 <現在までの結果>人数がまだ少ないため、統計解析を行なうために、来年度も継続してデータ収集を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り介入プログラムを安定して実施できており、データ収集数はまだ少ないながらも着実にできている。介入プログラムを実施することにしていた曜日の変更などはあったが、問題なく実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、リクルートを行ない、安定してデータ収集を行なっていく。
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