2011 Fiscal Year Annual Research Report
顔認知における動的多点計測データ解析の次元選択・圧縮を行うソフトウェアの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真人 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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Keywords | 画像認知 / 次元選択 / 高次元データ解析 / ベイズ統計 |
Research Abstract |
本研究の目的は,電気生理学の多点神経細胞活動データを,顔認知の研究の進展に役に立つようにデータ処理するソフトウェアの基礎になるアルゴリズムを開発し,さらにそのソフトウェアを顔の特徴空間にも応用できるように発展させることである.認知機構の解明には,サルやヒトの心理学的な知見と電気生理学や非侵襲計測の実験データとの対応をとることが重要である.近年の計測技術の進歩により実験データは高次元化している.研究者は,その高次元データから比較的低次元で表される心理学的知見を抽出し,心理学的知見と実験データの両者の関係を議論する必要がある.平成23年度は,この目的にしたがい以下の二つの研究を行った. 1.顔認知に関する神経スパイクデータの解析手法の開発 顔認知の神経機構を解明するには,より多くの神経細胞を計測する必要がある.ここで重要な点は測定された神経がすべて顔認知に関係しているとは限らないことである.そこで我々は計測データのみから顔認知に関係している神経細胞を自動選別する手法を,機械学習の分野で近年著しく発展しているスパースモデリングを用いて開発した.提案手法は教師あり学習にもとづく手法であり,表情によらない個人の同定や,逆に個人によらない表情の同定に関する神経細胞を自動選別できる. 2.顔認知に関する画像解析手法の開発 側頭葉の光計測手法を想定して,領域ベースマルコフランダムフィールドモデルの新しいアルゴリズムを変分ベイズ法にもとづき開発した.本手法は高く評価されて,日本物理学会が出版するJournal of Physical Society of JapanのPapers of Editor's choiceに選ばれた.本手法により,側頭葉の顔ドメイン構造を光計測のデータのみから決定することができると予想している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は当該研究課題以外に基盤A(研究課題番号:20240020)を行っている.そこで津波堆積物の判別アルゴリズムを開発している.そこで開発したLO最適化にもとづくスパース判別法が,顔認知に関係する神経スパイク解析や近赤外分光法(NIRS)に使えることが判明し,予想外の方向に展開した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は,研究目的に向かって当初の計画以上に進展しているので,基本的な方針を変更する必要は無く,現在のところ問題点は存在しない.
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Research Products
(5 results)