2012 Fiscal Year Annual Research Report
サル海馬による対象アイデンティティーの神経表現
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119710
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田村 了以 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (60227296)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | サル / 霊長類 / 顔認知 / 学習・記憶 / 海馬 / ニューロン活動 / 電気生理学 / 側頭葉内側部 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトを含む霊長類の脳内には「対象のアイデンティティーを入力の感覚種を超えて普遍的に表現している」システムが存在し,前部下側頭領域および海馬を含む側頭葉内側部がこのシステムを構成すると考えられる.これらシステムのうち,本研究では海馬に着目し,その各亜領域(歯状回,CA3領域およびCA1領域)に記録電極を慢性埋め込みしたサルが,「顔」を用いた視覚弁別課題を遂行している時にニューロン活動を記録した。本年度は,頭蓋骨にヘッドホルダーを取り付け行動課題を十分に訓練してあるサルを用い、海馬の各亜領域の位置を誘発電位記録により正確に同定後、テトロードを埋め込んだ.テトロードは, 1日に約0.2 mmずつ目的亜領域の細胞層深部へと進めていき,オシロスコープ上で記録信号をモニターした.ニューロン活動が観察された場合、約2時間の安定化期間後にサルに上記の視覚弁別課題を行なわせ、ニューロン活動を記録・解析した.本年度はニューロン記録を36回セッション行なった。現時点では、記録データの一部(約5セッション分)の解析が終了し、4個の歯状回ニューロン、4個のCA3ニューロンおよび7個のCA1ニューロンの課題応答性を検討した。その結果、対象のアイデンティティーを符号化していると解釈できる応答は見られなかった。ヒトでの先行研究(Quan Quiroga et al., 2007)では、対象のアイデンティティーを符号化しているニューロンがかなりの割合で記録されることが報告されており、従って、同じ霊長類でもサルとヒトでは、対象のアイデンティティーの表現における海馬の役割に大きな違いのある可能性が示唆された。現在は、未解析のデータの解析を進めているところである。なお今後は、より明確な結論を得るため、まだ記録電極を刺入していない海馬前部でニューロン活動を記録し、同様のデータ解析を行なう予定である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)