2011 Fiscal Year Annual Research Report
幾何学的形態測定手法による顔の感性モデルの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119724
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
小森 政嗣 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (60352019)
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Keywords | 顔形状 / 顔認知 / 感性 / 形態測定学 / 表情 / TPS法 / モーフィング / ワーピング |
Research Abstract |
本研究は,幾何学的形態測定学の枠組みに基づき,(1)顔形状の感性に関する様々な指標(平均性、対称性、幼児図式、表情など)の再定義を行い,(2)顔に対する感性評価モデルの構築を行い,(3)薄板スプライン法による2次元・3次元モーフィングアプリケーションなどの開発を行うことを目標としている.平成23年度は,目標(1)のうち3次元顔形状データを用いて表情の特徴および,表情の左右対称性の検討を行う手法の構築および実証的な検討を行った.表情表出には様々な要因が影響し,その一つに表出者の社会的技能も含まれると考えられる.そこで,社会的技能と表情表出時の顔面形状の関係を詳細に検討した.実験参加者に真顔・幸福・怒りの3表情を表出させ3Dスキャナで撮影し,さらに各参加者の社会的技能を質問紙により評価した.この結果から,社会的技能が高い人がどのような表情表出を行うかを定量的に示し,またその結果を視覚化することができた.また,顔の左右対称性は対人魅力の重要な要因と知られている.そこで,表情の左右対称性に着目し,表情非対称性と社会的技能との関連を形態測定学的アプローチにより検討も行った.その結果,社会的スキルが低いほど,幸福,怒り表情の非対称性がより大きくなっていることが示された.また,目標(2)に向け,幼児100名の顔形状の数理的な解析を行った.また,目標(3)では,薄板スプライン法による2次元・3次元モーフィング・ワーピングアプリケーションの開発を目標として挙げていた.これに従って平成23年度はこのアプリケーションの実装を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画の初年度となった平成23年度は,手法の構築を中心に行うことを目標としていた,概ね達成できたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究で得られた知見および作成されたアプリケーションを公表・公開することを目指す.また,表情の動的な側面(時系列変化)を定量的に解析する手法について実証的に検討し,表情の動的な側面も含めた,顔に対する感性評価モデルの構築を目指す.
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