2012 Fiscal Year Annual Research Report
他者の存在が自己顔認知へ与える影響に関する神経基盤
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119725
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
守田 知代 生理学研究所, 統合生理研究系, 特別協力研究員 (60543402)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会認知 / 機能的MRI / 顔認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは自身の顔や姿など自己像を見せられると、ネガティブな情動(恥ずかしさ)を経験することがあるが、これは自己に対する意識の高まりが関係する自己意識情動のひとつとされている。本研究では、この自己意識情動のプロセスにおいて島皮質や帯状回皮質がどのような役割を果たすのかを明らかにすることを目的とした。昨年度(平成23年度)は、二個体同時計測が可能なMRIシステム(dual MRI)を用いることで、他者によって観察されているという社会的な状況を実験室環境に構築し、他者の目が恥ずかしさ情動に与える影響について健常者を対象に心理学的・神経科学的な検討を実施した。その結果を踏まえ、平成24年度は社会性に障害がみられる自閉症スペクトラム障害者(ASD)を対象として、ASDが感じる恥ずかしさ情動が他者の目による影響を受けるのかどうかについて検討した。ASD 14名および健常者16名を対象として比較をおこなった。一台のMRI装置を用いて、被験者が見ている画面を他者が観察している状況と観察していない状況を構築した。結果、健常群では先行結果と一致して、他者に観察されることにより自己顔に対する恥ずかしさが有意に増大し、またそれに対応した右側の島皮質前部の活動変化がみられた。その一方で、ASD群では他者からの観察に伴う恥ずかしさの増大はみられず、またそれに対応した右側の島皮質前部の活動変化がみられなかった。これらの結果は、ASDにおいて他者の目が自己意識情動に与える影響が非典型的であることを示すものである。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)