2011 Fiscal Year Annual Research Report
下側頭葉視覚連合野における顔を表現する機能構造の枠組み
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119729
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷藤 学 独立行政法人理化学研究所, 脳統合機能研究チーム, チームリーダー (60197530)
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Keywords | 光学的計測 / 顔認識 / クラスター解析 / カラム / 機能構造 |
Research Abstract |
サル下側頭葉視覚連合野において「顔」がどう表現されているかについては2つの考え方がある。目や鼻というような部分的な特徴や顔のパーツの配置を表現する特徴カラム構造の観測から、カラムの組み合わせによって「顔」が表現されるという考えと、5-10mmの大きさでカラムよりはるかに大きな機能構造(顔パッチ)の活動が見られることから、顔パッチが顔処理のモジュールとして働いているという考えである。本研究では、2つの考え方がどう関係しているかを電気生理学と計算論的な解析を組み合わせて行う。本年度は、以下のことを行った。 (1)様々なバリエーションで提示された個人個人の顔(サル)の映像を含む視覚刺戟セットを構築した。 (2)2頭の動物のTE野から高密度の電極アレイを用いて、顔を含む物体像に対する応答のマップを構築した。 (3)物体像に対する応答マップに対して、クラスターリングを行うことで、顔パッチとカラム構造を同定した。その結果、顔のパッチの中が、カラムによって構成させていることが明らかになった。 (4)顔パッチの中のカラムについて、ヒトの顔に対する応答とサルの顔の対する応答の違い、普通の顔と顔の部分を入れ替えた刺激に対する応答の違いをカラムごとに調べた結果、同じ顔パッチ内でもカラムによって反応性が異なることが明らかになった。 これらの結果は顔パッチが顔の部分的な特徴を表すカラムによって構成されていることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の研究の研究実施計画の内容が達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるので、当初の計画に特段の変更はない。次年度は計算論的な解析を進めることによって顔パッチ内のカラムがどういう図形特徴に応答しているのか、具体的に解明する。
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