2012 Fiscal Year Annual Research Report
側頭葉の階層的な情報処理のメカニズムと顔認知における役割
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
23119732
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅生 康子 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (40357257)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 霊長類 / ニューロン活動 / 情報量解析 / サッチャー錯視 / 顔倒立効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、顔を視覚刺激とした実験で、サル下側頭皮質の単一ニューロンが、まず大まかな分類情報(ヒトかサルか図形か)を処理し、それから詳細な分類情報(個体や表情)を処理していることを明らかにしてきた。本研究は、このような側頭葉の顔応答性ニューロンにみられる情報の時間的処理過程 のメカニズムと顔の認知に果たす役割を明らかにすることを目的とする。 個体識別は顔の部分特徴の組み合わせからなる情報に依存していると考えられる。そのような布置情報の処理には時間を要することが推測され、それが詳細な分類情報が時間的に遅れてコードされるメカニズムとなっている可能性がある。そこで顔の布置情報は顔倒立呈示によって認識されにくくなることに着目した。顔の倒立呈示により、サルの下側頭皮質のニューロン活動にコードされる詳細な分類情報が減るかどうかを検証した。 具体的な実験では、複数の個体と表情からなるヒトとサルの顔画像の刺激セットを用い、注視課題で正常顔画像およびサッチャー顔画像を正立あるいは倒立の状態で400ミリ秒間呈示した。アカゲザル2頭の下側頭皮質から合計123個のニューロンの活動を記録した。スパイク数にコードされる大まかな分類情報と詳細な分類情報の量を経時的に解析した。その結果、顔を倒立呈示すると詳細な分類情報の量が減少するが大まかな分類情報の量は変化しないことが分かった。顔の倒立呈示は下側頭皮質のニューロンが時間的に遅れて処理する顔の個体や表情の情報を減少させることが分かった。心理学的研究で顔倒立効果としてよく知られる現象の神経基盤である可能性を示唆している。さらにサッチャー顔でも同様に、正立呈示条件に対して倒立呈示条件では詳細分類情報の量が低下した。正常顔とサッチャー顔に対する活動の違いは詳細分類情報よりさらに遅く現れることが示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)