2012 Fiscal Year Annual Research Report
光屈性におけるオーキシン調節機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Environmental sensing of plants: Signal perception, processing and cellular responses |
Project/Area Number |
23120510
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
酒井 達也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10360554)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 環境応答 / オーキシン / 光屈性 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
光屈性は、光環境に応答して植物ホルモン・オーキシン不等分布を誘導し、細胞の伸長の差から偏差成長を生じさせる現象と考えられており、オーキシン調節による植物の成長制御機構のモデルの一つとして研究されている。本研究は光屈性におけるオーキシン調節の分子機構を、シロイヌナズナの分子遺伝学的手法を用いて明らかにすることを目的として行った。昨年度、PIN オーキシン輸送体の網羅的な遺伝学的解析を行い、PIN1, PIN3, PIN7 が光屈性に関与すること、またこれらのPINに依存しない経路が存在することを示唆する結果を得た。 本年度、PINの細胞内局在を制御すると考えられている PINOIDタンパク質キナーゼの光屈性における機能を解析し、PINOID ファミリーは phy 赤色光受容体の活性化によって遺伝子発現が抑制され、これが光屈性の促進に働くこと、光屈性を直接誘導するのに働く phot光受容体シグナリングの下流では働いていないことを明らかにした。さらに、AGC1 キナーゼファミリーが光屈性に関与することが明らかになった。また、新たに光屈性に関与する遺伝子を探索するため、完全長cDNA過剰発現株からの光屈性異常突然変異体選抜を進めた。その結果、小胞輸送調節に働く因子、微小管機能制御因子、タンパク質分解制御因子をコードする3つの遺伝子については、その過剰発現が光屈性異常をひきおこすことを明らかにした。 今後、光屈性誘導機構における AGC タンパク質キナーゼの機能解析、及びPINに依存しない光屈性誘導機構の新たな突然変異体選抜を含む詳細な解析を行うことにより、植物の光環境に適応した成長パターンの調節の分子機構の理解に新しい研究領域を創造することが期待された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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