2011 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスセンサーKeap1と選択的蛋白質分解系による新規シグナリング複合体
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒河 博文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80359546)
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Keywords | タンパク質 / 結晶構造解析 / オートファジー / 酸化ストレス / Nrf2 |
Research Abstract |
本研究では酸化ストレスに応答してプロテアソーム系とオートファジー系がどのようにクロストークし,細胞レベルでのシグナリングネットワークを形成しているかを三次元構造のレベルで解明する.具体的には酸化ストレスセンサーKeap1(1)ユビキチンリガーゼ(E3酵素)複合体(Keap1-Cul3-Roc1),(2)選択的オートファジー基質複合体(Keap1-p62-LC3)を主な研究対象とする. 上記の複合体を構成するタンパク質について大腸菌を用いて組換えタンパク質を大量発現し、高純度に精製した。これらの組換えタンパク質を用いて、表面プラスモン共鳴法,等温度滴定カロリメトリー法などによる分子間相互作用解析を実施した。 さらに、ストレス感知機構解明および複合体安定化条件を探索するためKeap1のセンサー機能に重要なCys151に様々な変異導入を行い,Cul3との分子間相互作用解析を行実施した.Cys151への変異導入実験に加えて,様々なNrf2誘導剤を用いて,Keap1とCul3との結合能がどう変化するかを詳細に解析した.さらにKeap1のCul3結合最小領域を決定するために,様々な末端欠損変異Keap1を調製した.Cul3との結合実験からKeap1のCul3結合最小領域を決定した.このKeap1フラグメントを用いて,結晶化スクリーニングを実施し,良質な結晶を得ることに成功した.放射光施設フォトンファクトリーでX線回折実験を実施し,良好なデータを取得することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は,タンパク質調製と分子間相互作用解析の実施を予定していたが,既に良質な結晶を得ることに成功しており,計画以上に研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,さらに複合体の結晶化に向けてこれまで通り、分子間相互作用解析と結晶化スクリーニングを実施する予定である。
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