2011 Fiscal Year Annual Research Report
H/D交換質量分析法によるタンパク質間相互作用・構造変化部位の決定
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121521
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90335381)
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Keywords | 複合体 / 相互作用部位 / 重水素交換 / 質量分析 |
Research Abstract |
タンパク質複合体の相互作用・相互作用に伴う構造変化部位の決定は、複合体機能を知る上で重要であり、合理的創薬や抗体医薬開発等においても不可欠となりつつある。本研究では、複合体の相互作用・構造変化部位決定を容易に可能とするため、HDXユニット(HDX)と専用解析プログラムを用いた「重水素置換質量分析法(H/DX-MS)」の開発を行った。まず、液体クロマトグラフィー部分のうち、オンラインペプシンカラムおよび複数のバルブをほぼ0℃に維持することが可能なHDXプロトタイプをセットアップし、オンライン切断条件およびLCカラムによる分離条件の検討を行った。最初にサンプルとしてコンデンシンホモ二量体について最適化を行ったところ、観測されたペプチド数が200本以上に達し、全体の97%以上の配列を再現性良くカバーすることに成功した。次に、ホモ二量体の二量体形成部位の決定のために、二量体を形成しない変異体を作製し、HDX測定を行ったところ、野生型と交換率が異なる箇所を複数特定することが出来た。HDXにより特定した相互作用部位と我々が決定した立体構造との比較を行ったところ、良く一致していたことから、測定法の確立に成功したといえる。最後に、確立した手法を用いてヘテロ二量体についても解析を実施することで、ヘテロ二量体に関わる領域も決定することに成功した。以上の結果のように、従来法による構造解析が困難な場合においても,相互作用領域の決定が可能となったことは、複合体の構造細胞生物学研究において重要な意義を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としたHDXの確立、ホモダイマーおよびヘテロダイマーの相互作用部位の決定、に成功し、本手法が複合体の相互作用を構造面から理解するために有効であることを十分に示すことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAとの相互作用は複合体の構造解析のなかでも特に難しく、特に特異性が低い相互作用の解析例は非常に限られる。こうした状況を踏まえ、HDXを用いたタンパク質-DNA相互作用解析を実施する。DNAとの親和性の程度とHDX実現可能性が不明という問題点があるが、おもには濃度を変化させ測定を行うことで、対応可能であると考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The archaeal ribosomal stalk protein interacts with translation factors in a nucleotide-independent manner via its conserved C-terminus2012
Author(s)
Nomura, N., Honda, T., Baba, K., Naganuma, T., Tanzawa, T., Arisaka, F., Noda, M., Uchiyama, S., Tanaka, I., Yao, M., Uchiumi, T.
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Journal Title
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 3748-3753
Volume: 109
Pages: 3748-3753
DOI
Peer Reviewed