2011 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物キネトコア複合体CENP-HIKLMNの構造細胞生物学
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121530
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
西野 達哉 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教 (50533155)
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Keywords | 酵素反応 / 生物物理 / 操作プローブ顕微鏡 / 分子認識 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究申請の目的は脊椎動物キネトコア構成因子CENP-HIKLMNの構造と機能の関係を明らかにし、これら蛋白質複合体が正常な染色体分配にいかに寄与するかを解明する事にある。 本年度は大腸菌における個々の因子の発現精製を行った。その結果、CENP-H,-I,-K,-L,-M,-Nの6種の蛋白質のうち、CENP-Kは単独で可溶性画分として発現し、精製する事が出来た。一方、他の5種類は単独では発現量が観測できない程で、発現するものであっても不溶性画分で更なる精製をする事は出来なかった。精製CENP-Kの結晶化を行ったが、1000条件程試したなかでは蛋白質結晶は得られなかった。その他の因子の発現料や可溶性を向上する目的で、マルトース結合蛋白質(MBP)との融合蛋白質を作製した。その結果、どの融合蛋白質も可溶性画分として得られた。しかし、ゲル濾過による解析を行ったところ、CENP-MとCENP-Lは一部単量体として存在している画分が確認できたものの、CENP-H,I,Nはほとんど凝集体であった。続いて複合体を得るために2種類の蛋白質を一つのプラスミドにクローニングし、大腸菌において共発現するコンストラクトを作成した。その結果、CENP-LとCENP-Nが安定な複合体を形成する事がわかった。特にこの複合体はCENP-NのC末端領域とCENP-Lが直接相互作用していた。CENP-NのC末端領域は高度に保存されており、この機能と構造についてさらに解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CENP-HIKLMN複合体は因子が多く、これまで組み換え蛋白質の発現系等もほとんど報告されておらず、困難が予想されていた。その中で徐々にではあるが、複合体を発現する事が出来、今後の構造解析につながる手がかりが得られていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現在得られているCENP-LN複合体の生化学的解析及び構造解析を進める。特にCENP-NについてはセントロメアマーカーであるCENP-Aとの結合が報告されている事から、CENP-LN複合体のCENP-Aヌクレオゾーム結合活性を測定していく予定である。また、他の蛋白質複合体についても丹念な共発原型を構築し、更なる蛋白質ネットワークの解明を行って行く。
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Research Products
(9 results)