2011 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPRシステムにおけるAGO2様活性を有するRNP複合体の構造機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121535
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
沼田 倫征 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究員 (10401564)
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Keywords | RNA / タンパク質 / リボ核タンパク質複合体 / 遺伝子サイレンシング / X線結晶構造解析 / 原核生物 |
Research Abstract |
CRISPR-Cas システムは原核生物にみられる生体防御機構の1つであり、細胞内に侵入してきたウイルスやプラスミドなどの外来遺伝子の発現を特異的に抑制するという役割を担う。本研究は、CRISPR-Casシステムにおけるエフェクターコンプレックスの作動原理を解明することを目的としている。エフェクターコンプレックスは複数のタンパク質サブユニットと一つのcrRNAから構成されている。まず、エフェクターコンプレックスを構成するタンパク質サブユニットの大腸菌内における発現系を構築した。発現させたタンパク質サブユニットをアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどを用いて精製した。調製したタンパク質サブユニットを用いて、サブユニット間の相互作用をゲルろ過クロマトグラフィーもしくはプルダウンアッセイにより検討し、サブユニット間の相互作用を解明した。また、合成したcrRNAと精製したタンパク質サブユニットを用いて、in vitroにおける活性の再構成を試みたが、現在のところ再構成には至っていない。次に、各タンパク質サブユニット単独の結晶化、相互作用しあうタンパク質サブユニット同士の複合体の結晶化を試みたところ、2種のタンパク質サブユニットの結晶と1種の複合体結晶が得られた。大型放射光施設フォトンファクトリーにて回折実験を行い、各結晶について4Å程度の回折データを収集した。現在、結晶化条件を最適化しており、今後、各結晶の位相を多波長異常分散法などにより決定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質サブユニット間の相互作用を解明し、複合体を調製して結晶が得られ、約4Å程度の回折データを取得している。また、複数のタンパク質サブユニット単独の結晶化とその回折データも取得していることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
得られている結晶の結晶化条件を最適化し、より分解能の高い結晶を調製して、結晶構造を決定する。また、活性の再構成を引き続き試みる。
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Research Products
(3 results)