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2011 Fiscal Year Annual Research Report

血管内皮による神経再生作用の賦活化におけるRac1 GTPaseの意義の検討

Publicly Offered Research

Project AreaVasculo-neural wiring and their interdependent crosstalk
Project/Area Number 23122505
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

澤田 直樹  東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (40343751)

Keywords神経再生 / 内皮由来神経栄養活性
Research Abstract

脳卒中は寝たきり原因の第1位を占める疾患であり、脳梗塞後遺症の克服は喫緊の課題である。近年、胎生期のみならず成体脳においても持続的に、あるいは傷害反応性にニューロンを産生する神経幹細胞(neural stem cell:NSC)ニッチの存在が明らかにされている。虚血など脳ダメージにより活性化されるニューロン新生は、神経回路再構築や脳機能回復に寄与しうる大きな治療的ポテンシャルを有しているが、脳に内在するNSCの制御メカニズムには不明の点が多く、その解明が急務である。血管内皮細胞は、ニューロン、アストログリアと脳局所で神経血管ユニットを形成し、これら細胞の間には、液性因子を介した機能的カップリングが存在する。最近申請者は、血管内皮機能の重要な制御分子である低分子量G蛋白Rac1に着目し、神経血管ユニットにおける役割を検討した。内皮特異的Rac1ヘテロノックアウトマウス(EC-Rac1^<+/->)では、一過性脳虚血による神経細胞死が抑制された。内皮Rac1抑制による神経保護作用には、内皮由来の複数の液性神経保護因子の発現上昇を介した、協調的な神経細胞死の抑制が関与していた。一方、NSCニッチにおいても、神経血管ユニット同様に、内皮細胞がNSCの近傍に位置し、内皮由来の液性因子がNSCの自己複製能を正に制御することが報告されている(神経血管ニッチ)。本研究計画では、「内皮によるNSC自己複製能の活性化において、内皮Rac1抑制が重要な役割を果たす」と仮説をたて、検証する。
平成23年度には、NSCと、Rac1^<+/->あるいはRac1^<+/+>マウスの脳から分離培養した内皮(MBEC)を用いて、トランスウエルによる非接触性の共培養系の確立、さらにこの系を用いて、NSCの自己複製能・増殖能・ニューロン分化能・遊走能における内皮Rac1の役割を検討することを計画した。Rac1^<+/->マウスの導入が困難であったため、コンディショナルノックアウトの手法により内皮特異的にRac1を欠損するマウスを作出し、同マウスよりMBECを分離する方針に変更した。さらに、正常ヒトおよび野生型マウス内皮細胞を用いてRNAノックダウンの手法によりRac1の発現を抑制する手法の導入についても検討し、基礎検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Rac1^<+/->マウスの導入が困難であったため、コンディショナルノックアウトの手法により内皮特異的にRac1を欠損するマウスを作出し、同マウスよりMBECを分離する方針に変更した。

Strategy for Future Research Activity

内皮特異的Rac1ノックアウトマウスを樹立後、MBECを分離することが可能であると考える。このMBECを用いて、既に確立されているニューロン新生の各分化段階のマーカー(Nestin,Tuj1,MAP-2など)発現を指標に、NSCの自己複製能・分化能のアセスメントを行うことが可能と考える。さらに同マウスを用いて、ニューロン新生における内皮Rac1の意義の検討をin vivoにおいて行うことが可能となる。

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Published: 2013-06-26  

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