2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化機構から見た血管-神経共通シグナルの意議の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Vasculo-neural wiring and their interdependent crosstalk |
Project/Area Number |
23122509
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 潤 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (50335288)
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Keywords | ES細胞 / 内皮細胞 / サイクリックAMP / オピオイド / 分化 |
Research Abstract |
本研究は、「細胞分化の観点から血管と神経に共通な新しい分子群を同定し、血管、特に内皮細胞と神経分化の関連性に関して新たな理解をもたらす」ことを目的とし、1)オピオイドの内皮分化・血管形成における意義、2)cAMPシグナルと内皮・神経分化、3)Notch-β-cateninシグナルと内皮・神経分化、4)新規動脈化誘導シグナルと神経分化、5)神経作用性物質の内皮分化における意義の検討を行う。 本年度は以下の2項目に関し進捗を認めた。 1) オピオイドの内皮分化・血管形成における意義 i) KORの下流シグナルの検討:cAMP/PKA及びその下流分子の探索 PKAシグナルの下流遺伝子の探索を行い、Etv2がPKA/CREB活性化により発現が亢進し、内皮・血球分化の開始に貢献していることを明らかにした(Yamamizu,Stem Cells,2012)。 iii) KORの内因性リガンド(dynorphin)の意義の検討: DynorphinのKOと、KORのKOはほぼ同じ形質(胎生早期における一過性血管形成亢進)を認め、KORのリガンド-受容体系が血管形成抑制性に作用していることが示された(Blood,2011)。 iv) KORノックアウトマウスにおける血管走行異常(体節への異所性血管侵入)の機構解析 KORがNeuropillnとPlexinD1の発現バランスを調節し、血管走行に寄与していることを示した(Blood,2011)。 2)cAMPシグナルと内皮・神経分化 cAMPはES細胞分化早期において三胚葉分化に促進的であることを見出し、PKAがヒストンK9メチル化酵素G9aの分解を抑制することにより、未分化遺伝子の発現抑制を介して分化を早めているという新しい分子連関と機構を明らかにした(Yamamizu,Cell Stem Cell,in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)において、PKA下流で機能している分子を探索し、血管分化の最も早期の新しい分子機構を明らかにすることに成功し、論文報告した(Stem Cells,2012)。さらに、2)において、PKAとエピゲノム制御をつなぐ新しい分子連関を見出し、神経系も血管も含む三胚葉の分化タイミングの制御機構という新しい概念の提唱に成功した(Cell Stem Cell,in press)。このように当初予想していなかった新しい重要な知見を示すことに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
オピオイドに関しては、成体における作用を検討し、オピオイドの血管作動薬としての可能性を検討する。 PKAによる三胚葉分化制御機構に関して、エピゲノムを含めたさらなる解析を行う。 神経と内皮に共通に発現しているmicroRKAを見出しており、その機能解析を行う。 これらの研究により、神経と血管に共通した分化や機能制御の分子基盤の解析を進める。
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Research Products
(35 results)
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[Journal Article] Pluripotent stem cell-engineered cell sheets re-assembled with defined cardiovascular populations ameliorate reduction in infarct heart function with cardiomyocyte-mediated neovascularization2012
Author(s)
Masumoto H, Matsuo T, Yamamizu K, Uosaki H, Narazaki G, Katayama S, Marui A, Shimizu T, Ikeda T, Okano T, Sakata R, Yamashita JK
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Journal Title
Stem Cells
Volume: (in press)(Epub ahead of print)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effect of K-opioid receptor agonist on the growth of non-small ceU lung cancer (NSCLC) cells2012
Author(s)
Kuzumaki N, Suzuki A, Narita M, Hosoya T, Nagasawa A, Imai S, Yamamizu K, Morita H, Nagase H, Okada Y, Okano HJ, Yamashita JK, Okano H, Suzuki T, Narita M
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Journal Title
Br J Cancer
Volume: 106(Epub2012Feb16)
Pages: 1148-1152
DOI
Peer Reviewed
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