2011 Fiscal Year Annual Research Report
メダカの発生過程におけるリンパ管と神経の相互作用の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Vasculo-neural wiring and their interdependent crosstalk |
Project/Area Number |
23122522
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
出口 友則 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (30415715)
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Keywords | 分子生物学 / リンパ管 / 神経 / トランスジェニック / メダカ |
Research Abstract |
リンパ管は体液の恒常性の維持・脂肪の吸収・免疫に必須であり、病理面では癌や浮腫あるいは様々な炎症性疾患で重要な役割を果たす事が知られる。このことからは、リンパ管形成に関する理解は、リンパ管が関与する様々な生命現象の真実に迫るとともに、新たな治療戦略の開発につながることを意味する。しかし、リンパ管内皮細胞が増殖・進展しながら個体内の隅々まで、そのネットワーク構造を形成していく機構については不明なことが多い。血管の形成過程においては、血管内皮細胞は体節由来や神経由来の遺伝子によりガイダンスを受けており、リンパ管でも同様の機構の存在が考えられる。そこで、本研究ではメダカを用いたin vivoイメージングと末梢神経の走行操作、神経由来ガイダンス遺伝子の発現操作により、末梢神経がリンパ管形成に与える影響とその機構を明らかにする。本年度の成果として、まず、応募者が既に独自に作製したリンパ管可視化TGメダカと末梢神経束可視化TGメダカを交配し、得られたダブルTGを用いリンパ管の走行と末梢神経束の走行の類似性を解剖学的に明らかにした。中でも、外側リンパ管と後側線神経束の主幹は左右体表面の正中線付近を併走していることが分かった。次に、走行に類似性が見られた外側リンパ管と後側線神経束について、ダブルTGの発生時におけるリンパ管内皮細胞の動態を共焦点レーザー顕微鏡を用い経時的に観察することに成功した。その観察結果から、後側線神経の発生後、それを追うように外側リンパ管が形成されていることが明らかになった。また、次年度実施予定である末梢神経束由来の血管のガイダンスとして知られる遺伝子を本来の発現パターンと異なる領域に発現させ、リンパ管形成にどの様な影響を与えるか明らかにするための実験準備として、血管ガイダンス遺伝子であるSDF1のメダカホモログのクローニングにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製したリンパ管可視化トランスジェニックメダカの国際誌上での第一報となる論文の査読において、想定以上のやや理不尽とも思える追加実験を要求され、その追加実験実施の準備と実施に時間が取られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れているが巻き返せる程度であるので当初の計画通りに遂行する。
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[Presentation] The lymphatic vessels are visible in vivo in a pFLT4-EGFP transgenic medaka2011
Author(s)
Deguchi, T., Fujimori, KE., Kawasaki, T., Maruyama, K., Yuba, S.
Organizer
The 1st Strategic Meeting for Medaka Research
Place of Presentation
Okazaki Conference Center, Aichi (Japan)
Year and Date
2011-11-23
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[Presentation] Generation of the transgenic medaka for in vivo imaging of cell-cycle2011
Author(s)
Deguchi, T., Matsumoto, T., Kawasaki, T., Yuba, S., Kinoshita, M., Sakaue-Sawano, A., Miyawaki, A., Naruse, K.
Organizer
第44回日本発生生物学会大会
Place of Presentation
沖縄コンベンションセンター、沖縄
Year and Date
2011-05-20
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