2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質における神経細胞の極性化を司る分子基盤の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
23123503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞田 佳門 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50431896)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | AMPK / 神経細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳新皮質において、脳室帯で誕生した錐体神経細胞は脳表層側へと放射状に移動する。この神経細胞の移動の過程はいまだ謎が多い。AMP依存性タンパク質キナーゼ(AMPK)は、細胞内エネルギーセンサーとしての役割が知られるSer/Thrキナーゼであるが、近年、細胞極性の確立における役割が注目されている。本研究により、移動中の神経細胞および神経細胞の初代培養において、AMPKが中心体近傍に濃縮して存在していること、さらにこの局在は微小管依存的であることを見出した。重要なことに、移動中の神経細胞においてAMPKを発現抑制すると、神経細胞の移動が顕著に停滞した。脳スライスを用いた神経細胞移動のタイムラプス解析から、AMPKの発現抑制によって核が中心体方向へ移動できなくなることを見出した。この異常は、野生型AMPKではレスキューできるが、キナーゼ活性を欠失した変異体ではレスキューされず、AMPKのキナーゼ活性が神経細胞移動に重要であることがわかる。また、AMPKは微小管モーターである細胞質ダイニンと共局在すること、さらに結合することが判明した。重要なことに、AMPKの活性化はダイニン活性を正に調節していることが明らかになった。従来の研究から、神経細胞移動の中核をなす核移動には、ダイニンを介した核の牽引が重要であることが知られる。このことを考え合わせると、移動中の神経細胞において、活性化したAMPKはダイニン複合体に結合してその機能を正に調節し、その結果として、ダイニンを介した核移動さらに神経細胞移動に大きく寄与することが推察できた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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